#017: 今野満寿喜さん: ラムヤートオーナー: 自分でよく生きること、楽しむこと、地域への感謝と恩返し



今野満寿喜

ラムヤートオーナー   2006年、旧洞爺村に移住。2008年、ラムヤートをオープン。売上の上限を決め、週2日営業で慎ましく暮らし、生きるに迷走する世の中に静かに力強く働き方改革を提言。自己完結する生き方、人生の残り時間の使い方、地域への感謝の返し方をテーマに日々を暮らす。夢は「何をしなくても、しても良い時間を多く持つこと」。それをモットーに子ども達が毎日楽しく暮らせる地域を目指す。
facebook : Masuki Konno


Key Words: 
洞爺湖, ラムヤートルヴァン, toita, たまたま舎



エピソードを読む:
[江良]
今日のalt-Tokyoは、北海道洞爺湖のラムヤートにお邪魔しています。オーナーの今野満寿喜さんにお話をうかがいたいと思います。

[江良]
どうぞよろしくお願いいたします。

[今野]
はい、お願いします。

[江良]
実は、僕と中馬君とは2日前からこちらにお邪魔して、無理やり居候させていただいて。

[今野]
毎晩飲み。

[江良]
なんかあの、今この、今野さんの過ごしている生活を、少しでもちょっと共有させていただきたいと思って、あの2日ぐらい一緒に時間を過ごさせていただきました。今朝はね、あのいわゆるギョウジャニンニクまあ、アイヌネギですね、を狩りに滝を登り山を登って海の荒れを越えて、朝6時に出て、すごい眺めのいいところで、山菜摘み、みたいな感じですよね、本当に素敵なところでしたね。

[今野]
楽しかったですね。

[江良]
楽しかったですね。本当にあんなに大変だとは思いませんでしたけど。

[江良]
今野さんはこちらにお店、パン屋さんっていう言い方でいいですかね?パン屋さんを何年くらいやってらっしゃるんですか?

[今野]
今年で14年目ですね。移住自体が17年目ですね。

[江良]
17年、やってらっしゃるわけですけども、今野さん、じゃあちょっと、あのどうやってこの、今にたどり着いてるか、ちょっとこう、根掘り葉掘りちょっと聞いていきたいと思うんですけども。お生まれは北海道で、この辺の近くなんですよね?


[今野]
北海道の伊達市というところで、今僕らが暮らしている洞爺湖町から車で40分ぐらいの距離の場所にあります。高校を卒業して、札幌で10年ちょっと、でこちらが17年目という形で。

[江良]
なんで最初に洞爺湖を選んで、ここに17年前に動いてきたのは、どういうことが決め手だったんですか?

[今野]
20代後半でこれからの人生どうしていこうかっていうタイミングが色々あって来たんですけども、仕事ベースの生き方ではなくて、土地、まず仕事のもっと下の方に土地っていう土台を作って、好きな土地のために仕事を作っていこうっていうようなコンセプトで場所を選びをして、この街の風景に惹かれて、仕事も何も決めずに移住してきたっていう形ですね。

[江良]
今ね、さらっとまず、その仕事のベースになんかその土地っていうものを定めて、まあそこのためにっていうふうにおっしゃいましたけど、結構あのちょっと珍しいというかね、その考え方自体がもうすでにユニークだと思うんですけど、なんでそういうふうなこう、普段ね、多分札幌で働いてたりとか、まあ僕とか東京で働いていると多分そういう考え方になっていかないと思うんですけど、なんかどういうこうルートでそういうこう、やってこうっていう風にたどり着かれたんでしょうか?

[今野]
あの仕事、まあ僕あまり仕事、同じ仕事を続けるっていうのはそもそも苦手でして、だから死ぬまであの、まあ週に5回、5日例えば働いて仕事のために生きるということはどうしても我慢できなくて、まあそれだったらあの景色のいいとこで、まずその街のためにだったら働ける、仕事もできるなっていう、ちょっとわかりづらいんですけども、その街っていうものをベースに持てば、仕事も長続きするだろうとか、あとのんびりしたいというか、週5日6日は働きたくないなっていうので。

[江良]
それはでもあれですか、やっぱりこう、なんか自分の、まあ自分個人のためとかね、そのまあお金のためとか、そういうことじゃなくて、なんかその地域とか、まあまあコミュニティとか なんかそういうこと、なんか全体というか、自分たちの周りとか、仲間とかなんかそういうことの幸せとか、そういうようなことが、その時から結構イメージにあったんですか?そういう。

[今野]
当初はもう、本当に自分がいい景色で、のんびり暮らすっていうところが目的でしたね。それでまあ仕事をしていくうちに、ここで暮らすうちに、やっぱり狭い地域なので、その地域との皆さんの関わりによって、一つの街ができているっていうことをちゃんと可視化できたんで、やっぱり街っていうのは誰かが何かをしてくれるおかげでその存続し得るものなので、まあ街のために働きたいというか、地域のために働きたいなっていう。まず、でも一番に、自分がこの街に来てすごく感謝しているというか、いい気持ちで暮らさせてもらっているので、恩返しですね。今もずっと。

[江良]
17年前にこちらいらっしゃって、パン屋は14年前。3年間はどういったような過ごし方をしてたんですか?

[今野]
まあいろんな、何でも屋みたいな。もう農家のお手伝いから、どっかが壊れたっていったら修理に行ったりですとか。あとちょっとユニークなところで行くと、お墓を移すっていうことで、あの昔なんかここ、まだ一部のエリア、この土葬らしいんですよ。それの人骨を掘り当てる仕事もしました。

[江良]
へぇ。まあ確かにお骨をね、お墓を移すのに骨移らなかったらね。

[今野]
そうなんですよ。

[江良]
とか、骨がちょっと残っちゃったりとかしたら、まあまあ、それもいいのかもしれないですけど、まあまあでもね、そのご本人たちにとっては、なるほど。

[今野]
ただ形式的なものがね、やっぱりあの、この街のお年寄りにはみんなあるので。僕もまあ、このまま放っときゃいいじゃんと思うんですけど。

[江良]
今でも土葬の、ちょっと余談ですけど、土葬の風習って残ってらっしゃるんですか?

[今野]
風習自体はもうないんですけど、昔はやっぱりそのまんまやっぱり、土の中に埋めちゃっていたっていう、またそのお墓、墓地群がまだ残ってるんですよね。だからきっと掘り出されてない部分もあると思うんですけど。

[江良]
そうね、なるほど。その中でパン屋っていうところにたどり着いてやられるわけですけども、なんでパンだったんでしょうか?


[今野]
パン屋はもともと、僕はうちの弟と一緒にやってたんですけども、弟が埼玉県の一般的な大量生産、大量廃棄っていわれるようなパン屋で勤めていたんですけど、その環境がどうしても嫌で。やっぱり大量に捨てられるパンっていうのを自分が一生懸命、時間かけて作ったものが、捨てられるってことが我慢できなくて、ルヴァン(Levain)っていう、長野でしたっけね。

[今野]
あそこにあるパン屋さんの石窯っていうところに巡り合って、それでうちでやりたいっていうことで、兄弟でまずパン屋を始めたんですよ。

[江良]
なるほど。この物件はじゃあ14年前に手に入れられたんですか?

[今野]
この物件はそうですね。はい。

[江良]
でも、あの僕やっぱり今日これ聴いてる方と何かシェアできるといいなって思ってることがいくつもあるんですけども、どれだけ全部そこにリーチできるかっていうのをね、ちょっと話しながらどうだろうと思ってるところがあるんですけど、まず全部手作りというか、今、多分 座ってる机とか椅子とかも、廃材とか壊れた古民家とか、そういうところから材料とか椅子とか、全部持ってきて、新しいものとかを、ほぼほぼっていうか、ほぼ変わらずに床から壁から全部ご自身でやられてるし、だから前も、あのね、一昨日の晩聞いたのも、石窯ももちろん手作りだし、まずそのね、僕もkurkkuの時にパン屋2軒みてたというかね、ことあるんですけども、基本的には発酵のものとか、もちろんオーブンとかね、あとこう生地練る機械とか、もちろんそういう機械が入るんだけども、一つも機械入らず、まあ電気で動くものが一つもないわけですよね?

[今野]
そうですね、冷蔵庫ぐらい。

[江良]
冷蔵庫ね。冷蔵庫、照明と。だからまず、なんでその、そういうふうに、あの全部こう手作りでとか、なんでそういうふうになっていったのか。

[今野]
もともと先ほどの店舗の話に戻るんですけども、まああの来た頃本当にお金がなかったっていうのはまず一つで、それでまあ、あのやっぱり昔からその何でも捨てるような、そのまあバブル期に培われたような、何でも捨てて新しい家具を入れるとかまあそういうのがちょっとやっぱり僕にはあまりできなかったというか、苦手で。やっぱりその札幌時代の話に戻るんですけど、解体業者で勤めたことがありまして、その時にやはりあの一軒新しい家に引っ越すってなった場合に、一軒家だけじゃなくて中に入ってた家具とかも洋服もう丸ごと捨てて、次の新しい家に変えていくようなのをよく目にしてたんですよね。それがやっぱり根底にあって、まだまだ使えるのに、そうやって物を簡単に捨ててしまうことは許せないというかっていう気持ちと、あとやっぱり僕インテリアとか昔から好きで、やっぱりかっこいいってことが好きなんですけど、その地元愛と相まって、本当にかっこいいって捨てられていくものをもう一回命を与えてあげるというか、かっこよく見せるように、その引き立つような空間を作るっていう方がもう僕にとってはすごくかっこいい空間、まあその辺が、その辺を実行して、今のだから店舗内にある、ほぼ目につくものは、あの、この街の誰かが捨てたものとか、よその誰かが捨てたもの、いらなくしたものを集めて空間を作っていますね。


[江良]
なんかあれなんですか、何かこう家を壊すぞみたいなことがあると、なんか情報がどこかからこう、まあ今となればもう、あそこ壊すからちょっと見に来たらみたいなことがあるんだと思うんですけど。まあそういうのをこう、現場をこういろいろ見ていって、今日もあれでしたもんね、あのギョウジャニンニク取りに行ったときに、浜辺に板とかね、いろいろ落ちてるのを、こう、ちゃんと拾って。あとゴミ拾いもね。プラスチック系のゴミ拾いもされてたけど、本当にそう、拾ってらっしゃいましたけど。ま、でも本当に、実際やっぱり新しいこう、板みたいなものを買って、やすりかけてとか、ニスかけてとかいうよりも、やっぱりもう何か時を経て現れるテクスチャとかね、なんかこう生活の跡とか、まあそれがやっぱりこのお店の何かだし、ご自宅も含めて、本当になんか違う景色を見せてくれてますよね。

[今野]
パン以外にもやっぱりそういう、家具内装のインテリアについても、こういろんな情報や物語を持っておくと、これは一つ商売としての強みというか、お客さんとの話題にも盛り上がるというか、これどこで買ったんですかとかって言われると、いやそれはもうこの街の誰かが捨てたゴミです、とかって言うと、やっぱり関心につながるとか。やっぱりこういうゴミでも、かっこいいと思ってもらえると、やっぱ捨てなくなりますよねきっと。それはでも、若い子とかに知ってもらいたいというか、これから店を立ち上げようとした時に、パン屋だったら1,000万規模の借金が必要だってなるんですけど、うちは無借金でほぼ貯金なしから始められたので、こうやって一回実例を作ってあげると、お店を始めやすいっていうメリットというか、それとも一応計算というか考えて。

[江良]
そうですよね。でも、なかなか結構最初から内装とか、あとね、ご自宅も最初移ってきたとき、最初床板はもう半分なかったとか、その屋根もご自身で三角屋根で雪がね、こっち側に落ちてこないように、屋根も自作されているとか、それも1年半かけて自分でコツコツやったとか、ちょっと東京モノからすると、ちょっとこう、ちょっと想像を絶していると、まあ普通そういうことって、あのやろうとすら思わないんですけど、今野さんはそれこっち来てからとかなのか、まあ、あと技術ももちろんあると思うんで、結構なんか最初から結構そういうところはあのイメージされてたんですか、こっち来る時に?

[今野]
まず一番にお金がなかったからやるしかないっていうところと、あと楽しい、好きっていうのももちろんありますね。そして震災以後、家が押し流されていくとか、避難所に避難されている方々を見て、やっぱり自分で何か自立してできれば、避難所に行く必要もないし、僕であれば廃材で小さい小屋ぐらいすぐパパッと建てれるぐらいには今なってるんですけども、なんかまあ自分自身なんかあった時に困りたくないっていう気持ちもあったりですとか。

[江良]
でもやろうと思って結構あのやれるもんなんですか? 例えば屋根の付け替えとか。

[今野]
いやとりあえずやってみて、ダメだったら頼めばいいなとか、それ以上に楽しいそうだなとか、そっちの方が、やっぱりワクワクする気持ち?できた時、本当に気持ちよくて。それは屋根の以前からやっぱり出来上がった時の気持ちよさってあるんですよ。1年前から、皆さんもいろいろお仕事大きな仕事されてると思うんですけど、1年かけてやったプロジェクトが達成した時の気持ちよさっていうのを何度も味わってきたので、僕未だに、だからあの屋根ついて1年ぐらい経つんですけど、あの屋根に登ってお酒飲んだりとか、そういうこともしみじみ家のどこを見ても、あの苦労と楽しみがこう蘇ってくるんで、これはもう一生楽しいですよね。

[江良]
でも本当にあの、今野さんのね、ご自宅、その棚から、床から、屋根から、まあそういうこう、まあね、いいことも悪いことも含めて、思い出が、思い出とストーリーがね、こう詰まっているから、それがこう、今野さんの家は本当にゲストというかね、なんかなんで、そんななんかね、今回僕たちいろんななんかね、僕たちの知り合いもなんかみんな、今野さんのところに来てるみたいなこととか分かるんだけど、なんかそういうところなんでしょうね。今野さんたちの愛情とか、それが全部積み重なって空間を作ってらっしゃるから、僕は少なくともそういう空間って見たことないなっていうのは今野さんのところきて、本当強く感じたことの一つですね。でもほんとなかなかね、自分たちの家で、大体大工さんとかね、大体も何もほぼ99%やってますから、棚ぐらいはね、もしかしたらちょっと日曜大工でとかあるかもしれないですけど、でも本当全部なんでね。

[今野]
根っこから作りたいというか。全部自分でやってみたいんですよ。あの空間も仕事も、地域における仲間とかも、全部自分で自分の居心地のいい空間を作りたいっていうのは、割と結構昔から強いというか。

[江良]
でもまあ本当にそれが多分、今おっしゃってあるものは、17年かけていろいろ積み重なってきてるのが、すごい感じられるんですけども、じゃあちょっと話戻るというか、最初すごい、お金を持ってらっしゃらなかったから機械とかもある意味買えないっていうことも含めて、プラス自分で作ることが好きだし、それをかっこいいと思うからっていうことで、全部手作りで作ってこられたんですけど、今も週に2日?しかパン屋さん空いて無いってことですよね?



[今野]
そうですよね。土日に。たまに祝日営業で。

[江良]
祝日営業してて。で、あとね、ちょっとこう、これはお仕事と言っていいのかな。近くの方々で、ちなみにラムヤートの前に、道の駅的な建物があるんですけど、そこのカフェというか食堂ですよね。食堂も、この度ね、今野さんが、また同じように、いろんな街で入手した廃材とかをもとに、すごい素敵な空間作られてるから、そういう空間作りみたいなお仕事もあるんだとは思うんですけど。パンってね、そんなにこう1個1万円とかね、そういうものでもなくて、でも週2日で。だから月に8日とか10日とか、そのぐらいの、プラス祝日とかの営業で、なんとなくみんな、売り上げってだいたい想像つくじゃないですか。やっぱりパンってもう少し、さっきも弟さんがちょっと思ったように、みんなある程度バーッといっぱい作って、ある程度いっぱい売っていかないと難しいんじゃないのかっていうようなことが、パッとビジネスに侵されている東京人からすると、何か自然にどうなってるんですか?みたいなことを思っちゃうんですけど。

[今野]
不思議ですよね。

[江良]
不思議なんですけども。そこらへん、僕たちにもちょっと分かるように、もう一回かいつまんでいくと。

[今野]
まずでもよく言われるのが、親が金持ちだとか。道楽なんじゃないかとか。

[江良]
ああ。

[今野]
いやいや、全然っていう話なんですけども、まあ売上の頭打ちを全部決めちゃって、本当は最初週5営業したんですけども、もう本当に忙しくて、パン屋が。そして季節は巡って、天気いい日とか、今このタイミング自転車乗りたいなとか、例えばカヌー乗りたいな、ベタ凪でいいのに、なんで俺は店にいるんだろう、みたいなところですとか、あとなんかこれ以上、全国にいっぱいパン屋ある中で、自分たちがまた同じくパン屋をやる必要性とかよくわからないなって。して、あの時やっぱりすごい売上も良くて、稼ぎも良かったんですけど、そもそもお金の使い道もないんですよね。別に何の車を持ちたいとか、何かを持ちたいって欲求も大してなくて。ないものは自分で作りたいタイプだから、なんか買いたいものもないのに、たまっていくお金とか、なんかそういうのも、そもそもよく休みたい。ってなった時に、やっぱりスタッフと相談して、売上の頭打ちを決めてそれに足したら、休みを増やしていこうっていうことで。

[江良]
スタッフの月いくらっていう目標決めてしまって、そこに達成したら、じゃあ(週)5日だったものが、4日にと

[今野]
3日ってなっていって、もちろんそれは給料も、スタッフの給料を下げるわけにもいかないんで全部固定で、して週3日が限界かねってなったんですけど、まだ削り足りてない部分があって、それは僕の給料だったんですよね。となった時に、僕はオーナーだからといって、なぜスタッフより給料が高いのかが意味わかんなくなってきて、それほど別に仕事を好きでやって苦労してるわけでもないのに、管理もとても楽なんですけど、まあ僕の給料削って、休み増えるんだったらいいなと思って僕の給料も削って、あとまあ家で使っている、例えば車とか、携帯電話も、死ぬまでに車何回使うんだろうって考えたんですよ、ある時。そうなった時、緊急性がある時以外車は使わないだろうということで、車も家族で一切持ってませんし、携帯電話も持ってないんですよね、やっぱり。その分休めるんだったら、休みを取ろうって。それがなくて不便になる暮らしをしなければいいだけの話なんで。それをまたそして、誰かに買い物たまに一緒に行かせてもらったりとかするんですけど、それ以外、本当に車も使い道がないっていうか。だから車も全部手放して。かかる固定費ですよね。もう全部削って削って本当、ボクサー並みの減量して、それで、もう、のんびり休んでますね。笑

[江良]
いやー、なるほど、なるほど。まあなかなかこう、なかなかの境地ですよね。そこまでね。

[今野]
いやーもう、それ以上にもう休みを取りたい。のんびりしたいっていう。

[江良]
でもね。本当にあのね、今日もね、山菜取りに行きましたけどね、山菜もシーズンがあるとかさっきもおっしゃったようにこうね、カヌー乗るにはやっぱりこうね、天気もあるから、やっぱり最初からこの自然とかの風景の中でっていうことで言うと、やっぱりこう自然の都合とかにもね、そうなっていかないと合わせていけなかったりもしますもんね。

[今野]
待ってくれないんですよね、やっぱり。伸びる山菜を、もうちょっと待ってくれ、来週休みだから待ってくれってことにはならないんで。それを自分から合わせていくしか方法がないんですよね。

[江良]
いやでも、まずそれって、でもやっぱそれってこう、だいぶ、なんて言うんですか、自分でこう、さっきは例えば、若い子たちにお金がなくても、「パン屋ってこうやったらやれるんだよ」みたいなことは思ってらっしゃるんだと思うんですけど、それはやっぱりお金に縛られなくても、やっぱり自分のやりたいこととか、何が自分にとって心地いいのかとか、そういう基準でどうやって生きていけるかみたいなことを、なんかこう差し示しているような、なんかそういうこう一つのモデルっていう言葉がお好きか分かんないけれども、なんかそういうような作業というか実験になっているような気がしますね。

[今野]
やっぱり、もうそうですね。僕自身がもう、今、あのちょっと話それるんですけど、自分自身のやりたいことっていうのはあまりもうなくて、別にこれ以上お金を欲しいとも、あの有名になりたい、むしろ有名にはもうなりたくないというか、誰にも目立たなくひっそり裏方でこの街の用務員になるのが僕の夢なんですけど、そんな中でやっぱり、その僕らの暮らしが先ほど言ったモデルケースになることによって、やっぱり僕一番、今、あの危惧してるのは、やっぱり子供たちの未来なんですよね。
やっぱりその子供たちって、やっぱりその、なんかこう常に恐怖感を抱いているような気がして、それは大人たちが子供たちをそのように、翻弄している部分もすごくあると思うんですよ。皆さんがこう有名な学校に行きなさいとか、いいとこ就職しなさいって、それってじゃあ背景何があるのって時にやっぱお金の話なんですよね。それがすごく楽しいから行きなさいじゃなくて、心配不安事を消すために、お金の力で幸せになれるから、いいとこ行きなさいっていうことなんですよ。それではやっぱり子供、まだわからないですよね、やっぱり。その、ですから、やっぱり僕みたいに、きっと僕の給料は東京の学生アルバイトしてる学生よりも、もしかしてもらってないぐらいかもしれないんですけど、それでもこうやって、のんきに生きられる。楽しく生きられるっていうようなモデルにまあなれたらいいというか。

[江良]
そうですね。ちなみにあの、今野さんの家にはお子さんお二人いらっしゃって、男の子が中学校、

[今野]
3年ですね。

[江良]
今これ4月で、4月に3年になって。で、娘さんが、



[今野]
小学校の3年生。

[江良]
お二人をちゃんと育ててるわけですけど、なんかあれですか、ちょっと僕も話しそれるかもしれないけど、今野家の教育方針みたいなのが、なんかこれは、いくつかあるとは思いますけど、こういうことは大事にしてるとか。

[今野]
とりあえずは、毎日元気に生きるってことですね。

[江良]
もうそれ、親としてなんかこう、元気に生きろよお前みたいな

[今野]
いやいやいやいや

[江良]
そんなことでもないと思いますけど、なんかこうあるんですか。こう元気に生きるための親としてサポートしてあげられること、ということで言うと。

[今野]
元気に生きるためのサポートは、僕らが元気にいるっていうことと、あと食事面ですよねおそらく。

[江良]
そうですね。まあ、ですよね。親の背中というか、まあこういうふうに、なんていうの、まあそこまでこう、すごいお金を稼いでるということじゃないけれども、逆にその自分が元気かどうかということは、お金には全く関係がないし、逆にそのお金の、そういうさっきおっしゃった、お金のことを考えて、その保険とかに、リスクを減らしていくみたいなことで、そうしていくと、お金のためにいろいろやらなきゃいけないことが当然出てくるし、東京に住んでる人は、まぁ大なり小なり、そのシステムから抜け出てる人は、よっぽどお金を持ってる人、 逆に持ってる人ってことになってくるから、そういう意味ではそういうのをお父さんの背中が見せてるっていうのは、確かにすごい子供にとっては、これでいいんだというかね。でも本当にある意味みんな困ってるというのかな。東京の大人も、子供だけじゃなくてね。この前僕、その、隣の韓国とかね、この前なんか、NHKで韓国の出生率が下がってとか、お金がないからそもそも結婚もできないし、子供もできない。まあ日本もそうですよね。いろんな意味でやっぱり、こうお金を中心にどんどん回っていってるから、ここからこう外れて、外れてというかね、そこが一番中心にない方が、楽で楽しいんだよっていうのは、で、それがなかなかうまくいってる例っていうのはね、なかなか見ないのでね。そういう意味では、すごい僕は、おおーみたいな。洞爺湖にこんな方がいたっていうのは。

[今野]
いやいつ、自分のこうやってることが、ルールとして破綻するかも分かんないですけど。なんかでも、今のところずっとうまくいってるんで。まあ基本的に楽しいし、割と楽観的な部分もあるんですよね。先ほど言ったお金の話に少し触れたいんですけども、本来お金ってあのただの道具であり、経済も便利なシステムなんですけど、その便利な道具とシステムの理解がやっぱり、まあ大体、きっと日本人国民全員が理解、根底的の本当に深いところで理解できてないから、翻弄されちゃうというか、無くても本当は大して無くてもいいものなのに、なんかなきゃダメなものにすり替わっていって、そこがちょっと痛々しいというか。そしてその犠牲者がやっぱり子供に、こうツケが回るっていうのは、やっぱりなんかちょっと気の毒だなって。僕もね、小っちゃい頃やっぱりそういうふうに感じてたし、肌感覚で、なんか大人になるの嫌だなってずっと。週6回も働いて、家帰ってきて、お酒飲んで愚痴言ったりとか、そんなこと死ぬまで繰り返してってなった時に、僕10代の頃にそんな疑問抱いたんですけど、あと80年、90年繰り返すのかと思った時に、もう嫌で嫌で。そのやっぱり割とそういった意味での反抗期長かったのかなって思いますけどね。その反動ですね、今こう。

[江良]
でもね、その反抗というかね、その気持ちがずっとまだ続いてるんでしょうね。でもやっぱり、とはいえやっぱり東京とかだと、お金ないと、まずね、家借りれないし、食べ物もあれだし、東京って圧倒的に自分で何かを作るっていう感覚というか習慣が圧倒的にない。全部やっぱり、お金がないとエネルギーから、ここは本当にエネルギー、電気はね、今、引いてらっしゃると思うけど、石窯でパン焼くのも、薪だし、薪は近くのところから、間伐材なり、なんなりやってらっしゃるし、とにかく、さっきから今野さんがね、自分がこう作ることが好きで、本当に土地があって、だから、食べるもの、住むもの、着るものとかも含めて、全部なんかその、自分もしくは、この周りのコミュニティも含めて、作ってきてらっしゃるから、それがないとやっぱりお金がないと、暮らせないようなところですよね。まあじゃあなんで東京に人が集まるんだっていうのがあるんですけどね。

[今野]
それもたまに僕もやっぱり田舎から都会に出た時に、都会暮らしも長かったんで、あの、なんで都会に行く必要があったのかなって考えた時に、まあ若い頃は、まあなんか都会への憧れというか、なんか行けば楽しそうだっていうノリでやっぱり行った部分もあるんですけど、でもやっぱり振り返ると、なんかその都会にいる人っておそらく野心を持ってその都会っていう機能をうまく使えている人はほんのその数パーセントぐらいで、残りはやっぱり不安で集まってるだけだと思うんですよね。なんか都会に行かないと無いっていう不安が根底にあって、そのなんか集団っていうか群れ、それが群れを形成してるような気がして。不安と不安で支え合えないですよね人ってあんまり。

[江良]
そうですね。

[今野]
単純になんかそれだけのような気がしてならないというか。

[江良]
逆に今、洞爺湖でね、あのちょっとこの後もう少しだけ、まあこの周りのコミュニティの話とかもぜひおうかがいしたいんですけど、やっぱりみんなそういう意味だとこう、不安っていうよりも何かこう、まあ自分はこういうことが好きで、だからここに来たみたいな、なんかこうちゃんとあの、そういう主体的にね、考えてここにいる人とかが多いような気がするし、なんかその中で自然に、なんか役割みたいな、すごいあるというか。今日もね一緒にギョウジャニンニク取りに行ってくれたヒロさんとかもね、すごい面白い方でしたね。

[今野]
いいですね。

[江良]
ラムヤートのね、スタッフさんなんですよね。でもやっぱりあの、ああいうこう、野をかき分け、場所を探し、崖にいろいろバーっとこうねアイヌネギが生えてるんだけど、ガーッとねこうやって、誰よりもこう採ってって、まあ今野さんよりも洞爺湖歴は短いわけですよね。

[今野]
そうですね、はい。

[江良]
でもまあその、ご家族との関係とかあるにせよ、なんかすごいこう、リーダーとしてね。で、まあ今野さんとも上下も無い、無いって言ったらちょっと、まあオーナーさんとかそういう形上のことはあるけど、まあ給料もそもそも、さっきの話だとちょっと上だし、そもそもね、ここは今野さんの方が得意、ここはヒロさんの方が得意で、なんかそういうのが結構クリアに、本当に数時間ご一緒しただけでも、なんか見えてるような気がしますけど、こっちでもなんかその不安になっちゃってる人とか、なんでそこが、まあ僕たちが見えてないだけなのかとかそれはどう思われます?

[今野]
きっとまあ、不安がないってことはないとは思うんですけど、やっぱり基本的にみんなこっちに、あの先ほど言ったように、自分で意思決定してきた人が多いので、なんかやっぱり自分で何とか、自分の場所や、その仕事を作ろうって気概の人は多いので、あまりそういう、きっとどうしても不安っていうのはあんまり目にしない。僕の周りに極端にいないだけなのかもしれないですけど。あとなんか、きっと支え合いが割と成立しているかなっていうのはありますね。いろんな人間の層があって、なんかみんな、とりあえずいいとこを見ようよ、みたいな、なんか暗黙の了解で、僕もいつも周りの仲間と接してて、すごく気持ちいいんですけど。

[江良]
でもやっぱり、そう何かここに、惹かれて、ここでこういう風に、こういう自分になりたいなのか、こういう仕事したいとか、何かこうそういう前向きな夢みたいなことも含めて、あって来るから、まずそこが前提であるんでしょうね。でプラス、でそれをこう、逆にねあの、こういう地域だとね、まあそもそも、その数がね、いい意味で増えていくとね、基本的にすごいポジティブなことですよね。で昨日あの、drop aroundのお二人にもね、お話し聞きましたけど、ああいうね、あの素敵なデザイナーコンビが街に来たら、すごい嬉しいですよね。

[今野]
嬉しいですね。

[江良]
いろいろなことが、ラクといったら、言葉はちょっと失礼かもしれないけども、いろいろな可能性というか、できることがね、いろいろ広がりますよね。なんか、いやでも本当に、それはでも今野さんが17年前に来た時は、どんな感じだったんですか?

[今野]
もう本当に、あ、もうこんな言い方したら本当に失礼なんですけど、主観ですけども、ゴーストタウンみたいな。笑 そうですね、街中に30代の人が歩いて散歩していたら、あの夕食の時に話題になるっていう。30代の人、30代っぽい人、今日歩いてたよっていう。笑 そのレベルでしたね。でもなんか僕はあんまり、やっぱりそんな、こう悲観的な方じゃないので、なんか結構、何でも面白おかしくというか、その辺は割と特技かもしれないですね。なんか面白かったですね、どっちかと言えば。そしてなかってなんか、こう何もないから要は逆に言うとやっぱり余白?自分でどんどん色をつけられる真っ白なキャンバスみたいなものなんですよね。だからシムシティ(simCity)みたいな感覚で。

[江良]
それってでも、やっぱりなんかね、こう面白いなって思えないと、街に行っちゃうんですかね?

[今野]
どうでしょう?

[江良]
街なんですけど。どうなんでしょうね。なんか。

[今野]
何かに寄りかかろうとして集まると、あんまり集団ってよく働かないなっていうのは、なんとなく印象としてあって、僕だから、こう見えて、結構より、がっつり寄りかかってこようとする人の、このもたれたい柱を外すタイプなんですね。笑

[江良]
それはなんですか、たとえば洞爺に移住してきたいみたいな感じで、ちょっとよりかかり系のキャラというかそういう方もいらっしゃるんですか。

[今野]
いや、たまーにね、いますね。

[江良]
そうするとこう、はしごを取るとか。

[今野]
そうです。イジワルも好きなんで。笑

[江良]
ま、でもね、それ多分その後にね、多分その方も、おそらくうまくいかないかもしれないし、あと何より、こう全体的なね、なんかこうコミュニティのバランスみたいなものはね、大事ですもんね。

[今野]
結局、自分で全部やろうとしないと踏ん張れないんですよね。何かあった時に。人から、子ども、子育てもそうだとおもうんですけど、何でも、舗装道路を用意しちゃうといけないというか、自分で考えて、面白おかしくやりなっていうのは、よく子どもたちにも言うんですけど、とにかく楽しむこと。もう極端な良いことしか見ないぐらい。もったいないから全部時間が。もちろん本当に、あの、まあもうダメかなと思うぐらい、大変なこととかってあるんですけど 、だんだんそういうことも経験してクリアしていくうちに、いろんなまあ自分の中でこう、自分の心の強度が上がっていくような感覚もあったんで、今本当にあの時に乗り越えてよかったなって瞬間がいくつかパッと思いかぶ中でもあるんですよね。そしたらどんどん歳取ってくると、そういうこともこう自分にこう起こりづらくなってくるんですよ。経験値が上がってきて嫌なことが。それはきっと若い時にそういう経験をしないと。

[江良]
なんか、あのそのいくつかの経験の中で、差し支えないやつを、差し支えなさそうなやつかは。

[今野]
いやもうすごいですよ。

[江良]
やめときますか。

[今野]
割ともうピーが。笑

[江良]
それはあの多分ね、その札幌時代、洞爺湖時代かでも。

[今野]
洞爺湖時代も。もうでも面白い、やっぱ過ぎたら楽しいんですけどね。なんかやっぱりピーですね。

[江良]
いやでも、本当にあの、なんかねこう乗り越えるみたいなのは、なんでしょうね。それが僕もなんかいくつかバッと思い、自分にとってバッと思い浮かぶのもいくつかあるんですけど、やっぱりこう、なんかねその、その前と後ではねやっぱりこう見える景色とかね、見える景色とか見てるものがね、だいぶこう変わるみたいなのはあるし、でもそういうことが積み重なっていかないと、なかなかこう、なんか次に行けないみたいな感覚は、なんかちょっとなんかちょっとマゾっぽい感じでちょっと嫌ですけど。笑 でもね、そういうの、ありますよね。



[今野]
ありますね。本当に。

[江良]
でも本当に。じゃあ結構その、今じゃあ、この17年経って、今でもその、だいぶこう、今野さんの家ってお客さんが多いですよね。 まあ僕たちも今回ね、あの初めてなのに なぜか3日くらい、このラムヤートの屋根裏部屋に、なんか泊まらせてもらってるんですけど、毎晩ね、地域の方とか、息子さんのねお友達とか、まあ娘さんも含めてですけど、なんか10人ぐらいわーっとなんかいて、なんかみんなでご飯持ち寄ったりしてね、食べてるみたいな。なんかそんなコミュニティがあるんですけど、なんかこう、ちょっとじゃあ洞爺湖ってどんな街みたいなのを聞いている方々で、来たことない方もいらっしゃると思うんですけど、どんな集まりなんですかね。

[今野]
僕は暮らしているのであれですけど、よく周りの方は、ムーミン谷みたいだねっていうような幻想的な雰囲気で評価してくださるんですけど、僕、暮らしてて思うのは、ムーミン谷ではなく、なんかこうペンギン村みたいな。笑

[江良]
ペンギン村。笑 ペンギン村って、僕今パッとこなかったですけど、

[今野]
アラレちゃんのペンギン村ですね。

[江良]
あ、アラレちゃんのね、あー。

[今野]
あの世界にはアラレちゃんもいるし、あのウルトラマンも仮面ライダーもいるじゃないですか。

[江良]
いいっすね。

[今野]
ごったにじゃないですか。

[江良]
はいはいはい。

[今野]
あんな感じですね、もう。

[江良]
なんかでも、面白い人多いですよね。

[今野]
いやー本当に面白いですねー。

[江良]
なんで集まってくるんですかね。

[今野]
やっぱりみんな、なんででしょうね。面白おかしく生きてるからじゃないですか。わかんないですよ。ふざけて生きてるから。

[江良]
でもそれはあれなんですか、こうなんか、なかなか、今野さんに質問することじゃないのかもしれないけども、まあ17年前に今野さん来て、ある程度こう、じゃあもう週3休み、週4休み、週5休みでやろうとか、なんか自分でこうね、まずなんか、その生きる土台のものは全部自分で作る、まあでもね、だからこそ本当に、さっき言ったお金が、1,000万借金してお店開くんじゃなくてね、あの自分で作って開けばね、その分借金少ない分当然こうね、損益分岐は低いとかね、なんかそういうものを、見てやっぱりこう、そういう生き方にこう憧れてというか、自分もそういうこと、さっきモデルになんかね、なれたらいいみたいな、こともおっしゃったけど、そういうことが少しずつこう、実際にこう、今野さんの生活とか、あの在り方を見てなんか、その輪がちょっと広がってきてるみたいな、そういう感覚ってあります。

[今野]
あんまり、そうですね。あんまり考えたこともないんですけどね。実際ただ、でもそうですね、なんかこう、もともとも来た頃から、結構コミカルなおじいちゃん、おばあちゃんが、いっぱいいて、僕は人を観察するのは好きで、なんか心の中で妖怪図鑑作ってるんですけど、面白い人がいっぱいいるんですよ。なんかそういうもともと集まってたんじゃないですか。妖怪たちが。

[江良]
なんかその、ゴーストタウンみたいなね、あの風に感じたところで、まあ今、結構まあ、僕ちょっと、どなたが観光客で、どなたがこう地域の方なのかっていうのは、ちょっと分からない中ではあるけど、まあでも少なくともね、ラムヤートって隣にも、あの素敵な雑貨屋さんあってとか、なんかそこの駐車場で、あのお茶屋さんですか?の方にお会いしてとか、でね、このラムヤートのスタッフのヒロさんとか、なんだかんだとか、結構いろいろ、少なくともなんか、少なくとも僕が滞在してる限りは、そこまでゴーストタウン感はないから、何かこう今 あのね、まあやっぱ基本的には、日本の地方都市とか地域って、基本的にやっぱ人口も減っていってるし、あの、まあ場所にはもちろんよりますけども、どちらかというとダウントレンドみたいなものがあって、それをみんなどうにかしようっていうふうに思ってるじゃないですか。で、まあ絶対に多分お金の論理だけでやるんだとしたら、なんかほんとわからない、トヨタの大きな工場とか誘致してとか、そういう、いわゆる経済の論理に乗っていかなきゃいけないけど、まあね、その全国の市町村に全部トヨタの工場は必要ない、全くないから、だからさっきおっしゃったように、余白みたいなことを楽しんで、そこでクリエイティブ、楽しく、楽しいってことは、楽しくないとクリエイティブなのは無理だから、クリエイティブになにか、その土地にあった、余白の遊び方みたいなものをしていくしかないんだろうなと思うんですけど、なかなかうまくいってるところって、なかなか難しい。そういう意味では何かこう、ターニングポイントというか、なんか転機になるようなこととか、なんかこう、洞爺湖で言うと何かこういうことがあったかなとか、あります?

[今野]
ちょっとね、難しいな。まあそもそもね、あの僕って、あんまり少子化に対してもすごく悲観的に全く思ってないというか、まあ減るのは仕方ないことだし、その中で減った中でもっと面白いことってあるんじゃないかなって常に発想してしまうんですよね。もう変えられないじゃないですか。恐らくこの100年続くのかわかんないですけど、減ったなりのなんか面白さを探していかれないといけないなっていうのは。

[江良]
そうですね。

[今野]
やっぱり悲観から生まれるアイディアってあんまり良いものがないような気がして。なんか楽しいからやろうぜの方がきっと。

[江良]
そうですね。減ってまずいっていうのは基本的にやっぱりこう世界の中で相対的にGDP含めてパイが、経済的なパイが小さくなっていくっていうまあことと、あとやっぱり地域側でのサービスみたいなことなんですかね。まあ行政サービスとか、そういったことがもう多分限界集落的なことも含めて、維持できてないっていうことだと思うけど、まあじゃあそれならそれで、

[今野]
まあもうあのー、身も蓋もないんですけど 最悪死ぬだけだから。どんなに苦しんだって死ぬだけなんで、っていうところはどっかに根底的に僕は持っているんで。あんまり、やっぱりだから、生きてる間あんまり悲観的なこと考えたくないというか、っていうのはありますね。

[江良]
うーん、なるほどね。

[今野]
ちょっとあんまり、通じづらいですよね、これは。

[江良]
いやいやいやいや。そんなことないと思いますけどね。でも、まあ面白くね。面白くというかやっぱり、あのー、まあやっぱり日々、そうだよね、日々やっぱりその、何か楽しくポジティブにこうね、取り組んでいけてないと、何にもならないっていうのはね、まあそれはそうですよね。

[今野]
そして僕はやっぱり、その、まあこの街の地域の役割として、あのやっぱり人を集めるっていう役割を持ってるような気がしてるんですよ。その後のまあ、難しい、まあ強制的ないろんな管理とかは、得意な誰かがやってくればいいって思ってるんで、あまり僕は気にかけないというか、自分がやっぱり一生懸命楽しく、遊ぶことに専念、しとけば、いい結果出るのかなとか、それぐらいしか考えてないんだよね。

[江良]
でもこう、人と、外の人と繋がれたりとか、イベントもやられるような時に、外から人を呼ばれるみたいな時に、何がその、なんていうの、まあいろんなところから、例えば東京から人を呼びたいと。呼びたい人がいると、何かこう、ここに人が来る、なんかこう呼ぶ時のこう殺し文句というか、なんか。いやいや。なんかこう、ここってどういう、こう良さなんだろうっていう。

[今野]
僕がよく、おそらくきっと、僕は世間一般的に持ってる、その仕事に対しての捉え方とか責任が薄い、僕はもうなんか全てを遊びだと思ってるんですよ。その遊びのついでに仕事があって、 責任のある遊びですよね要は。責任のある遊び、責任さえちゃんとこなせば、思いっきり遊びたい。なんでだから、あんまり予算のこととか、売上のこともあんま考えたことないですし、僕もいくらこのお店が売上てるのかって実は知らない。その数字を追っかけるのとか面倒だし、誰かできる人が一人いるんだったら別に、僕二人ができる必要ないし。なんか遊んだついでに1年間、体感的、感覚的にわかってくるんですよ。もともと少ない数字しか動いてないんで。これぐらい一生懸命遊んだら、生活できてるよねとかっていうのは。そんな別に数字で厳密化する必要がないことだと思ってるんで。だからそういった意味でも、一切それはすごく嫁に感謝してるんですけど。僕はプレッシャーを感じずに、思いっきり来た人と遊ぶっていう。



[江良]
でまぁ、それがあの楽しいからというか、面白いから来てよかったなって話になるし、面白そうだなっていうことになるから人が来るっていう。でもすごい、シンプルな話ですねそれはね。でもやっぱりそこまでシンプルにこうやるっていうのは、でも結構あの、まあ今はともかく結構やっぱり強い意志がないと、世の中の仕組みとは、結構だいぶオルタナティブな感じですよね。結構やっぱり、相当強く、自分で何かを思ってたりとかしてたと思います?

[今野]
でも、この社会の、今の構造というか、雰囲気がすごく嫌だっていうのが、もうそれが結構強いかもしれないですね。ちっちゃい頃、その植え付けられた思い、嫌だっていうその反発、がもう根底に強いっていうとこと、まぁ生まれつき割とふざけてる性格というか、楽観的な性格をしているので、まあでもこう、分析するのも割と苦手なんですよ。あまり人と比べることもしないというか、世の中を広く見ることもざっくりは見るんですけど、見たって仕方ないから、 見ない。僕ができないことは誰かにやってもらうっていうことの、繰り返しですね。小さい頃から割と。

[江良]
なるほど、いやでも、なかなかそう思ってもね、僕たち、少なくとも僕は、なかなかお金のロジックに、まあ都市の中でこう絡め取られちゃうところが、どうしてもやっぱりありますね。だから、なかなかそこまで、こうやれないけども、やれてないなぁと思うけども。でもやっぱりみんなその社会に対する一番最初言ってた違和感って感じとか、そのなんかこう、憤りというか嫌だっていう、嫌だみたいなこととか、なんで、とか、なんでこれしなきゃいけないっていうのは、結構あの、結構多くの人が本当に思ってると思いますね。だから何か、その一つのオルタナティブなモデルケースのなんか一つを、とにかく遊ぶとか、そこにプライオリティを置いていくっていうことを、まあ最低限責任ってことはおっしゃったけど、家族4人を暮らしていくために、これぐらいは、これぐらいちゃんと遊ばなきゃいけないとか、まあそれも感覚的にあるってことは、多分こうね、10年わからないけど、今ね、あの今までこう何十年か、それをこう積み重ねてきてるんでしょうね。

[今野]
なんかね、なんかまあ最初の方は、やっぱ数字を追っかけることもちゃんと律儀にしてたんですけど、だんだんやっぱり必要無いなってものを手放していくっていうか、その管理しないといけないこととかを手放していく。それにやっぱり少ない、なんかこう売上で生きていける方が、いつ店が潰れてもいいと思っているんですよね、僕はどっかで。別に困らない。何がないと困らないっていう状況を、とにかく無くす。お金も、お金が無かったら困るっていうことをそもそも無くしちゃえば、家を建てれるし、畑作れるし、自生してるものも何食えるかわかるし、人からもらえるしっていうところを駆使して。

[江良]
そこができるから、お金からある意味自由になれるし、

[今野]
怖くない。

[江良]
お金から自由になれれば、一番最初におっしゃったけれどお金は道具だっていうシンプルにそこになりますよね。お金がやっぱりライフラインになっちゃうと、すべてそこを経由して、何か入手してる、まぁ都市は基本的にはそうなんでね。そこから、そこに依存しちゃいますよね、なんかねこうライフスタイルがね。

[今野]
だから、お金が増えて喜んで、お金が減って悲しい気持ちするってことを人生の中でものすごい時間費やすじゃないですか、これはものすごいもったいないことなんです、おそらくね。その、どうでもいいことに対して、もう大体の人がそこにとらわれてしまっているから、そこもちょっと。食うに困らないじゃないですか。今、何だかんだ言って。まあ、今いろいろ格差が生まれて、貧困世帯もいっぱいいるって言ってるんですけど、やっぱりでも、ほとんどの人は困ってないわけじゃないですか。今日食うものに対して。これはもう今まで、きっと人類の歴史を作ってくれた、先人の知恵と恩恵なんですよね。そこに困ってた人たちがもう大勢いて、何億人という数が犠牲になっている。その上にあって、食べるものは確保できてるわけじゃないですか。そしたらもうゴールじゃないですか、そこで。そういうまぁ価値観ではいますね、常に。

[江良]
ちなみに、車無いとか、困らないですか?

[今野]
いや、もうそれもやっぱり、最初は困ってたんですけど、実際本当にさっきも言ったんですけど、死ぬまでに何回使うかを考えた時に、大して使わないんですよ。僕らはそもそも出かけるのが面倒くさいというか、タイプなんで、そうだったら最初から、景色のいいとこで暮らしちゃえば、遠くの景色見に行く必要もないし、すごく、これよく、近所の裏の山とか入った時に気づくんですけど、この山に入って、足元の植物や生き物を見た時に、こう気持ちいいとか、楽しいと思う脳の中で発生する刺激と、ディズニーランドに行かないきゃいけない刺激って、何が違うのかなって思ったんですよ。だから僕は、結構だから、畑に行って土になんか掘ってたり草ってるだけで、割とどっか遊園地に行ったような高揚感が得られるタイプだから、それ行く必要ないじゃないですか。っていう風に。

[江良]
ちなみにでも、この周りの息子さんとか、娘さんの子供とかで、北海道の遊園地とか行ってきて、お父さんなんか僕も遊園地行きたいとか、そういうのとかないんですか?

[今野]
全然なかったですね。僕らがきっとここで満足してからそれ見てるのか、なんか出かけることは、あんまりあの人たちしないんですよね。

[江良]
東京は結構比べがちみたいなところがありますよね。

[今野]
ああそれはありますね。だから変な、変なってたらおかしいけど、変な貴金属属つけるとか。あんなものどうでもいいじゃないですか。笑

[江良]
まあそうですね。

[今野]
それだったら寄付しろよって、僕は結構思って。あのいいバッグとか。

[江良]
やっぱりね、子供のことにしろ、なになにちゃんはこの習い事してるから、ちょっとうちもとかね。なになにちゃん塾行き始めたから、うちもとか。なになにちゃん、ここの学校目指してるからこっちとか。やっぱりなかなかこう そういう意味で言うと、何が、心地いいのかとか、そういうことやっぱり考える機会が、その価値基準って言うか判断基準が、やっぱりすごい、あの、あやふやの中で、まあそれがさっき、よりかかってるみたいなことを、今野さんがおっしゃったのかもしれないけど、やっぱりあやふやで、なんでほんとそれが子供のためなの?みたいなことが、なかなかこう考えきれないし、自信持てない、まあ自信持てないってことですかね、やっぱりね。

[今野]
そもそもだから、比べるっていうのは何をしたいのかって考えたときに、人と自分を比べて比べたことによって勝った優越感か、あと人より劣らないこと、劣ることの恐怖心、どっちかしか働かないというか、それはやっぱりくだらないですよね。そこに時間を割く必要性があんまり見えてこないというか、何も気持ちくない。勝ったって、気持ちくないし、無いからって不安にならない。そもそもその土俵にあんまりいる必要もないというか。そうやって考えていけば、結構みんなくだらないことに時間を使うというか、それもすごい面白いなと思いますけどね。生き物として見たとき。こんなに裕福というか、いわば暇をちゃんと使えている生き物っていないと思うんですよね。言ったら、悪い言い方ですけど、面白いって言うか。笑

[江良]
例えば、あの奥様とか、今野さんはそういう形で、こういうなんか嫌だとか、そういうのでこう来てる中で言うと、まあまず一番近くにいる奥様とかは、不安になっちゃったりとか。

[今野]
もうそれは、ずっと一緒にいて越えてきたところで、夫婦でやっぱり越えてきたなっていうところはすごくあって。なんか40歳ぐらいから、すごい僕ら落ち着いてきて、もうとにかくずっと一緒にいるんですよ。僕らあんまり出かけるのもお互い興味がないタイプだから。とにかくずっといるんですよ、同じ空間に。その中でやっぱりお互いにとっていいルール設定と、あとはやっぱり最近もう恥ずかしながら、今頃こう夫婦関係もうこう、円満にいく術を僕は獲得したんですけど。

[江良]
あら、ぜひうかがいたいですね。

[今野]
お互いが遠慮できる。自分のいいたいことを言ってもいいんですけど、ちゃんと遠慮できる。思いやるとか。そういう、ものすごく小学校1年生の教科書に書いていそうなことがやっとふっと落ちてきて、体に。

[江良]
なるほど。

[今野]
そうなんですよ。

[江良]
じゃあ一番近しい奥さんに対してちゃんと気遣う。

[今野]
それでも都合悪かったら、僕はいつも別に一緒に、物理的にいる必要無いと思ってるタイプなんで。ただ彼女と彼ら、家族の幸せは願うし、一生サポートする。それが僕の愛情表現で、もう最悪は、別にいなくていいって言ってるんですよ。

[江良]
これカットしなくていいですか? 笑

[今野]
意味もわかんないじゃないですか。同じ空間にいなきゃいけないとか。

[江良]
どうなんでしょうね。

[今野]
いや分かんないですけど。僕ちょっと結構無機質な考え方なんですけど、あんまり情がないんですよね。

[江良]
情がない。

[今野]
ないことないのか。

[江良]
ないことないじゃないですか。

[今野]
ないことないですね。

[江良]
ないことないじゃないですか。

[今野]
ただ相手にとって都合悪かったら、僕は別に一緒にいなくていいと、誰に対しても思うんですよね。

[江良]
まあそれはもちろんそうですよね。

[今野]
いてくれって思う人はそもそもいないですね。誰かとどうしてもいたいっていう人は。

[江良]
一人が好き。

[今野]
一人が好き、いや一人、僕は多人数でも全然好き、楽しいし、一人が好きってこともないですね。一人が好きな時もあるんですけど、

[江良]
なんかあのすごい、プラモデル部屋があるという。

[今野]
そうですね。

[江良]
それはちょっと、後で見に行きたいですね。漫画部屋もすごいんですけどね。だから、そうだね。必ずしも誰かと一緒にいなきゃいけないってわけではない。でもすごい、周りに人いっぱいいらっしゃいますよね。仲間がね。それはあれですか、例えばじゃあ家族の場合は、ちょっと、今なんとなくその、今野流コミュニティとの付き合い方、もしくはねこうなんですけど、家族、家族はじゃあ奥様、配慮する。でこれ、もうちょっとこう広げていった時に、じゃあその、drop aroundのお二人とか、お店のスタッフとか、そういう方々に対しては、もちろん外の人の方がやっぱ配慮は、そもそもいろいろ、そもそも近しくない分、あるんだと思うんですけど、何かこう気をつけてらっしゃることとか、意識されていることとか、さっきね近しく、あとこの前も言ったように、近しい人ほどやっぱルールがあった方がスムースだみたいなことで言うと、そのもう一つこう外の一緒にご飯を食べるような仲間みたいなものっていうのは何かこう気にしたされてることあります?



[今野]
まずは中心に家族があるとした場合に、次の輪郭が、あのスタッフなんですよ、僕にとって。うちのスタッフってちょっと特殊で、僕はあの雇用を募集したことないんですよ、実は。それであのスタッフを全部自分がいいと思った人を引っ張ってきてるんですよ。声かけて。これはなぜそういうことをしたかというと、やっぱり責任持てるんですよ。田舎に移住してきてくれっていうのは、そこに一個お店作るからっていう雇用を生むだけじゃなくて、この地域で暮らすことが楽しいとか、幸せだって思えるような土壌を作らなきゃいけないじゃないですか。それですから、まずスタッフたちには雇用、お金の話だけじゃなくて、この街にいて本当に楽しいんだっていう気持ちになってもらえるような環境を作るってことは常に考えていて、それは周りの仲間たちもみんなやっぱり僕は、本当にさっきも言ったんですけど、大した悩みもないし、したいこともなくて、やっぱりそれってきっと満たされている状態だと思うんですよね、 やっぱりそうなってくると人ってやっぱり、あの感謝、今までこうしてもらったことに対しての感謝って、返さなきゃいけないものだと思ってるんで、ずっとその感謝を返す。でもそこの自分がそのような行動をしてさらにでも周りから感謝されるんですよ。そしたらもっとなんか、僕にとってはちょっと借金たまった感じなんですよ。僕が好きでやって、僕がただ感謝をしてる、返してるだけなのに、もっと感謝されたらなんか悪い気持ちになってきて、でもこういう連鎖っていうのは社会で起こると、おそらくそんな自分が損するからしたくないとか、そういうあの、損得感情でシステムが動かないような気がして。そうですね、ちょっと話脱線するんですけど、やっぱりその感謝っていうものを熱源エネルギーに社会活動すると、結構社会ってうまくいくんじゃないかなっていうのは実感として。

[江良]
その実際、感謝が循環していくというのが結構見えてくるというか、実際循環しやすいっていうことですよね。ちなみに今日一緒に山に入ったヒロさんとかは、ご自分でどこで見つけて。

[今野]
彼はまたちょっと特殊だったんですけど、

[江良]
あっ彼は特殊なんですね。

[今野]
そうです。僕の、うちのスタッフは今まで何人かいたんですけど、そのもう一人、北風あゆみちゃんっていう子がいて、その子は一番最初に呼んだんですけど、その子はもう農家に、この土地の農家に嫁いで、今はたまにここでバイトしてもらってるんですけど、彼、その次にゴンちゃん、トモコさん、ときて、最後、今、ヒロちゃんなんですけど、ヒロちゃんだけはちょっと特殊でしたね。なんかいつのまにかいたって。笑

[江良]
すいません、例がよくなかった。笑

[今野]
そうそう。

[江良]
その前のヒロコさん?

[今野]
えっと、あゆみちゃん。トモコさん。

[江良]
え、トモコさんって、toitaでやってらっしゃるってことですね。

[今野]
うん。

[江良]
トモコさんは、あれ?トモコさん?

[今野]
そうですね。

[江良]
トモコさんは、えっと、でもあれなんですよね。なんか、ちょっと聞いた話だと、となりにtoitaっていう雑貨屋というか、グロッサリーも含めてあって、あれでも場所は今野さんの持ち物で、今野さんが一緒に内装とかもちろん作って、で、でも今いわゆるなんてその場所のオーナーはあれなんだけど、ビジネス権というか、だからそのトモコさんに場所を貸して、事業譲渡されたっていうことなんですよね。それはまたなんかちょっと特殊なケースなんで、何が起きた、というか、どういうことだったんですか?

[今野]
まず、まあなんか、そのそもそも、トモコさんを呼んだ段階でそのようにしたいっていうのがあって、

[江良]
トモコさんはどこでこうお会いになったの?

[今野]
そうだ、来客でしたね、最初。お客様で、よく来てくださるお客様で、一緒にご飯食べたり、遊んだりするようになってきて、そして声かけて、移住してきてもらって、っていうところだったんですけど、あの、やっぱりその、自分がオーナーになるのと、雇われてるっていうのはやっぱりその、仕事に対する意識って全然変わってくるし、この町っていうか、商店街、小っちゃい商店街で見た時に、やっぱりそのオーナーとして自立してる方が、この街全体の強みになるって思ったんですよ。そういうのが一番大きな狙いで。彼女に譲ってっていう。自分で作ってみなっていうような。

[江良]
なるほど。じゃあどちらかっていうと、まあ、またもや、基本的にはお店増やしてって、まぁそこからこう、基本的にはね、やっぱりそこの利潤を持っていくんですけど、そこはこう、というよりも、そのどうやって一番最初におっしゃってた、街をね、どう、こう街の用務員計画としては、なんかもう少し主体的にオーナーシップ持ってやっていけるような、そういうような人を増やしていった方が、最終的に街に帰ってくるし、それが自分へのリターンだっていうような感覚ってことなんですかね。なるほど。それはでもあれですね。なんか本当にあの、まあご自身いて、ご家族いて、スタッフのレイヤーがいるということでいうと、ねえなかなか、なかなかね、なかなかですね。笑



[今野]
toitaが、もともとそのtoitaを取得した僕が、取得した経緯っていうのがあって、あの、ずっと空き家だったんですよ。それでそこの持ち主のおばあちゃんがいて、たまによく、お客様でこの空き店舗紹介してくれないかって言って、もう年間、何軒も何軒も来て、僕おばあちゃんに紹介するんですけど、おばあちゃんがこの建物は私とおじいちゃんが初めて建てた建物だから私が生きてるうちは誰にも売らないし、貸さないっていう風に断られてたんですけど、ある時トモコさんがこっちに引っ越してくるってなった時に、店一個作ろうってのも元々決めてたんですけど、近所に倉庫あったんですよ。その倉庫を改装しようと思ったんですけど、ものすごい近いんですよ、でもなんか僕の中でイメージとして遠いなと思ったんですよ。やっぱりケンケンで回れる距離で管理できるのが僕の理想なんで。そこももう、歩いて1分ぐらいの場所なんですけど、なんか遠いなってずっと思ってて。それで、たまたまいつもよくお酒を飲む、近所のドクターのおじさんがいて、気の合うおじさんがいて、そのおじさんに本当立ち話で、冗談でここを買ってくれたら、一人若い人を移住させてこれますって言ってたんですけど、したっけ本当に、1週間後にその人が、買ったから使っていいよって言われたんですよ。

[江良]
おばあちゃんと?

[今野]
おばあちゃんが主治医で。たまたま。

[江良]
ドクターだ。

[今野]
そうなんですよ。それでその先生にだったら売るって言って、本当に買ってくれて。1週間後くらいにうちに来て、使っていいよ好きにって言われて。最初、本当に何言ってるのかなと思ったんですけど。それで、そこの取得した経緯があって。すごい粋じゃないですか。

[江良]
そうですね。

[今野]
だから僕もやっぱり、トモコさんに対して、そういう風でありたいなと思って。どうぞって言っててっていう。今も一応あの家賃はもらってるんですけど、全体の改装が終わったらまた、どうぞって。っていうのが今これから僕考えていることで。

[江良]
でもね。改装も相当大変じゃないですか。

[今野]
大変ですね。

[江良]
ねえ、あの、なんかね人手使ってね、設計図書いて、はいこれ、じゃなくて、まあガチで、自分でトンテンカンテンやって、材料集めてきて、だからまあすごい時間かかりますよね。それは、はいどうぞ、なんですか?

[今野]
はいどうぞ、ですね。

[江良]
もうほんとに、本当に、用務員さんみたいな感じになりますね。

[今野]
そうですね。用務員になりたいですね。

[江良]
でもそれは、やっぱりそれは、でもびっくりするぐらい感謝されますよね、でもやっぱね。でもそれは、やっぱりそのドクターへの感謝みたいなものがあるから、それをちゃんと循環させて、で多分そのまた次の何かね、感謝の連鎖が生まれていくだろうっていう、そういう繋がり方なんですね。これは例えばじゃあその今スタッフサイドを含めじゃない、もう一つ外のレイヤーというかまあご近所さんとかっていうと、何かこう関わり合い方とかなんかこう気になさっていることとか。

[今野]
いやもう特に、あんまりそんなね、あのスタンスっていう考え方は変わらなくて、とにかくも感謝してるんで、何かこう楽しいこととか、いい気持ちになってもらいたいなっていうところですね。

[江良]
でもなんか、本当に昨日のdrop aroundのお二人も、物物交換じゃなくて、なんだっけな物技交換だっけな、なんかね、とにかくいろんな交換をしあって感謝されて、なんていうの、こっちもまあその分それ以上に感謝して、みたいなそんなようなニュアンスのことありましたけど、みんながこうある程度、ここが、こうみんなである程度来たいっていう、選んでここに集まってる方にお会いしてるからかもしれないですけど、だからその分、何かこう、自分たちの足で立ちたいとか、自分たちで何か作れるようになりたいとか、その中でやっぱりこう助け合いみたいなことが自然に発生してて、なんかそのお互いに対して、メリットが出てるってことですよね。

[今野]
基本はやっぱり、みんな強いですね。みんなやっぱり自分でブランドを持ってる人が多く来てるので。もうそもそも商売としてお客さん結構抱えてる人が来てくださってるんで。強いですねやっぱり。だからその、あんまりこう、お互いこう寄りかからずとも、自分の屋台骨を保っていけるので、その中でじゃあ協力して何かやりましょうってなったとき、やっぱり面白いことしかないじゃないですか。こうだったら楽しいよねっていうような。そこが強いと思いますね、おそらく。



[江良]
何か今、あの逆にまあね、そのネガティブなことということでもないけれども、なんか課題というか、もっとこういうことを変えていきたいなとか、この町の用務員として、次の俺の仕事はこういうことなんじゃないかとか、思っていることあります?

[今野]
まあでも、子どもたちにとって、課題というよりも、すごく楽しみなのは、やっぱりここの地域で育った子どもたちが、どんな大人になるのかっていうのを、観察していたいなって。だから課題といえば、やっぱりお酒飲みすぎないことですね。長生きしたいって。笑

[江良]
健康ってことですね。

[今野]
孫が見たい。

[江良]
健康上何かやってらっしゃることがあるんですか。でも体はね動かされてますもんね。

[今野]
もう課題は肝臓ですね。

[江良]
肝臓だ。

[今野]
肝臓ですねもう。

[江良]
今日はもうひかえておきますか。

[今野]
いやもうその辺の抑制がなかなか難しいんですよね。楽しいってなったら飲みすぎちゃうんですね。そうですね。いつも。

[江良]
じゃあそれは大きな課題っていうことで。

[今野]
そうですね。

[江良]
はい。じゃああの、僕たちは、さっきも話したalt-Tokyoという番組で、基本的には都市に住まれているような、都市じゃない、自給自足されているような方にも聞いていただいたりもするんだけども、都市の中で暮らしていて、なんかどうしてもね、嫌だって思ってるようなことも多いんだけども、どうしていけばいいんだろうみたいなことをこう悩んだりとか、あと僕たちが悩んでるので、本当にどうやって、どういうことをしたら良くなっていけるかっていうことをみんなで考えて学んだり気づいたりしていこうっていうことで、いろんな方にお話聞いて、インタビューの中から学びや気づきを得たいなっていうふうに思ってるんですけど、今野さんからみて、例えばこんなことをしてみると一歩目としてはいいんじゃないかとか、なんかこれいつも嫌がられる質問なんですけどね。

[今野]
なんかね、すごい偉そうかなと思っちゃいますね。こんなだらしない男が。

[江良]
いやいやいや、あのまあ、あのね、あの取り入れる、取り入れられないは、まあその人のもちろん自由だとして、まぁあの、今野さん的に、率直に、もしよろしければ、何かアドバイスいただけないでしょうか。

[今野]
いや、そうですね。やっぱりその、急に物事を変えると、今の生活環境を変えるっていうのはやっぱり難しいと思うん ですけど、僕がやっぱり、よくずっと心に大事にしたことは、コツコツやるっていうことと、理想を捨てないとか、楽しむとか、希望を抱く、たったそれだけを毎日続けることですよね。諦めないとか、それをこうとにかくコツコツコツコツ、毎日理想に向かって、どんなちっちゃいことでもいいからやるっていうことと、楽しむっていうこと。そうすれば、いつのまにかきっと、なんかその自分の取り巻く環境がまず変わってると思うんですよね。あとはまあ、そういうことを実践している人の近くに実際行ってみるとか、あと情報を拾うとか、とにかくまあ悲観しないんですね。まあやっぱり近くにいる人に、よく感謝するっていうことですね。悩めるっていうのは割と結構贅沢な時間っていうか。

[江良]
まあねそれはある。いやでもね、最初その、何かこう、理想を持って、コツコツやるっていうのがね、あの今これ聞いてる方に、どれぐらい僕があの、なんかこう、お伝えできてるのかがすごい不安なぐらい、まあ本当にコツコツとね、あの多分、今野さんがこの場所を作られてきたっていうことが、まああの見ていただくとね結構、まああとね、もしあのなんか機会があればね、今野さんと話したりすると結構リアルに感じられるんですよね。本当に僕、本当びっくりしたんで。まあ1日目ね結構たっぷり飲んで、なんか2日目の朝こうね、一緒にコーヒー飲んでね、あの朝ごはん、みんなで食べてる時にね、なんかこう、すごいふっとこう、なんかその積み重ねてきた何かが、ふっとこう、なんかこう、感じ、降りてきた瞬間がすごいあったんですよ。ハッていう感じがあって。まあそれはやっぱりこう、結局、やっぱり積み重ねてきてて、積み重ねてきてる、なんか一つ一つの何かこう、なんかこう、今野さんの楽しんだこととか、多分大変だったこととか、全部のこう積み重ねで、世界ができているんだっていうような、そんなような感覚だったと思います。

[今野]
ありがたい。

[江良]
いやいやいや、これ僕がありがとうございましたって話なんですけど、感謝の連鎖。そういうことって僕はなかなかできていないから、何かコツコツとでもやっていきたいなっていうのは そう思いましたね。いや、しんみりしちゃった。

[今野]
また今晩も飲みましょう。

[江良]
そうですね。

[江良]
何かあの告知みたいなことを最後にあのゲストの方にあの聞いてるんですけど、なんか先ほど聞いたら、まああんまりこう、まあ今のねこれ前の話の流れでも、あのあんまり多分、個人的に告知したいことはないということなんだと思うんですけど、何かこう、洞爺湖の用務員、担当として、なにかこう、みんなに知っていただきたいこととか何かもしあったら、教えてください。

[今野]
今あの、新しくあの、えっと年齢は28かな。森高真樹さんという女の子が引っ越してきて、その子が今あの本屋さんを、小さな本屋を作っているんですけども、その本屋が結構面白くて、彼女が今まで集めてた、北海道にまつわる古書をこう、そこで読めるっていう。ちょっとお茶もできる、新書も売ってるんですけども、その子が今、その内装を手伝っているんですけど、まあ、あの一緒に彼女も慣れない大工を一緒にやってくれていて、ちょうど僕が、あのこの街に住してきたのは28歳で、また新しい次の世代の子たちが今入ってきて、僕もすごく懐かしい気持ちで彼女たちの、あのご夫婦のやり取り見てるんですけど、すごく楽しい思いをさせてもらっていて、なんか、そのお店が近くできるので、ぜひ、もしお近くに来られた方は寄ってみてください。



[江良]
はい。なんかね、僕たちもちょっとあのなんだ、内装の作業場にちょっとね案内してもらいましたけど、すごいね、あのなんだ、なんか大正時代なのかな、わからないですけど、どれぐらいなんですか?古民家の古さでいうと。

[今野]
あれもう築100年以上経ってるんですよね。そしてやっぱりどこもそうだと思うんですけど、北海道ってやっぱり積雪、雪の影響があるので、あの古民家が残りづらいんですよ。雪の重みで潰れたりですとか。やっぱり管理が大変なんで、すぐ壊しちゃったりするんですけど、だから北海道って築100年越える建物がそもそもほぼない。その中であそこはあの洞爺村が始まって以来初の、あの役場っていうことで、街の人たちがなんとか残そうっていうことで。

[江良]
役場だったんですね。

[今野]
そうなんですよ。 第一号役場だったんですよ、らしいんですよ。それをまた、ここに新しく引っ越してきた若い子が引き継いでいくっていう、やっぱりその、なんかこうドラマがあるので、その辺もなんか感じながら。

[江良]
建物も本当、天高がね、高くてね。でなんかこう装飾というかね

[今野]
若干洋風な。

[江良]
若干洋風な感じで、すごい素敵ですけど。まあでも本当にね、一つ一つ手でこうやってらっしゃって、なんかね、すごいあのなんか、応援したくなるようなね、あの女性でしたね。本もなんかすごい北海道の歴史とか色々とか、なんでそういう本集めてるのかもね、機会あれば聞いてみたいですけど、すごいあの何か、すごいなんだろうね、なんかその自分たちのルーツとか、そういったところをすごい掘っていくような、すごい面白い体験を共有してくれる場所になると思います。なので、まだオープンはもうちょっと先ですよね。

[今野]
ゴールデンウィークくらい。

[江良]
を目指せ。

[今野]
そこからも随時工事は続いて、内装も進化していくので。

[江良]
もし情報は、このホームページとかで オープンしたら紹介とかさせていただきたいと思うのでぜひ皆さんまたチェックして、一回洞爺湖来たことない方も遊びに。

[今野]
そうですね。のんびり。もう何もないんですけど。やっぱりのんびりするってことがとてもいいかなと。あと、子供いたら、湖に放しとけば一日中湖で。

[江良]
泳げるんですか?

[今野]
泳いで、一応、ダメなんでしょうね。笑

[江良]
笑 でも町の子は泳いでるんでしょうね。今、窓の外に小学生が、今野さんの娘さんも含めていらっしゃるんですけど、でも、ちょっと今のは皆さん、節度を、自己責任でということで、はい、ですけれども。本当に湖の中にこう、

[今野]
まあ本当に膝ぐらい入るのは全然大丈夫なんで、子供も。間違ってね肩ぐらいに入るのはまあいいんじゃないですか。間違って、間違って肩くらいまで入って、1時間ぐらい遊ぶのはいいと思いますんで。

[江良]
わかりました。自己責任で。では。

[今野]
はい。飲みますか。

[江良]
じゃあ今日は、ラムヤートのオーナーの今野さんにお話しをうかがいました。どうもありがとうございました。

[今野]
ありがとうございました。