#018: たかはしよしこさん: 料理家: 美瑛への移住、目の前のものを見てあげること



たかはしよしこ
料理家 生産者と食べる人の架け橋になることをモットーに季節を追いかけながら料理する。「エジプト塩」をはじめとするさまざまな調味料の開発・製造を手がける。 ナッツ、スパイスをブレンドした魔法の万能調味料、通称「エジオ」は、お料理にひとふりするだけで異国にトリップ!毎日の食卓を楽しく&おいしくをコンセプトに一瓶一瓶全ての工程を手作業で愛情を込めて作る。2020年の春に北海道美瑛町へ家族で移住。前田真三写真ギャラリー「拓真館」の白樺回廊の森の中に「SSAW_BIEI」を2021年の夏にオープン。SSAW_BIEI:  コースランチは予約制。予約不用のcafeも営業。東京西小山にて「エジプト塩食堂」営業中。エジプト塩食堂: ランチはチケット予約制。
Instagram : yoyoyoyoshikoyoyoyo

Key Words: 
拓真館, SSAW BIEI, エジプト塩, モロッコ胡椒, 徳島県石井町, 美瑛, モダンエイジギャラリー, マイスター (MEISTER), イデー (IDEE), イーアンドワイ (E&Y), ランドスケープ, ランドスケーププロダクツ, 45rpm, ヨーガンレール, 山田ファーム, murmur magazine, 服部みれい, もみじ市, 前田景, ドアネル (doinel)谷尻誠, カフェカウラ (cafe cowra), Winestand Waltz, ラムヤート, 前田真三, ヴィヒタ, オキ, トンチ, 児玉奈央, ギャラリー フェブ (gallery fe've)


エピソードを読む:
[江良]
今日は北海道美瑛の拓真館の森の中にある、SSAW BIEIにお邪魔しています。たかはしよしこさんにお話をうかがいたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

[たかはし]
よろしくお願いします。

[江良]
じゃあ最初に僕の方からちょっとプロフィールを読ませていただきます。たかはしよしこさん、料理家。生産者と食べる人の架け橋になることをモットーに、季節を追いかけながら料理をされています。エジプト塩をはじめとする様々な調味料の開発、製造を手がけます。ナッツ、スパイスをブレンドした魔法の万能調味料、通称「エジオ」はお料理にひとふりするだけで異国にトリップ。毎日の食卓を楽しく、美味しくをコンセプトに、一瓶一瓶全ての工程を手作業で愛情を込めて作っています。 2020年の春に北海道この美瑛町にご家族で移住されています。前田真三さんのフォトギャラリー拓真館の白樺回廊の本当に素敵な森の中に、SSAW BIEI、これはですね、スプリング、サマー、オータム、ウィンターの頭文字でSSAWなんですけど、お店を2021年の夏にオープンされました。今日もね、今このインタビューさせていただく前にランチをいただきました。

[たかはし]
はい、ありがとうございます。

[江良]
本当に美味しかったです。今日は台湾のオマージュしたコースだったんですけど、台湾に行かれたばっかりなんですよね。

[たかはし]
はい、帰ってきてまだ3日、くらいです。

[江良]
ここね、エジプト塩とか、あとモロッコ胡椒とか、結構世界のいろんなものをオマージュというかインスピレーションを受けて料理されてるじゃないですか。これ結構やっぱり実際に旅に行かれて、何か感じられたものをこう料理にしていくみたいなことなのか。結構この世界の色々こうエジプトとかを想起させるようなものって、どういうところから生まれてくるんですか。

[たかはし]
いや実はエジプトにも行ってないし、モロッコにも行ってないし、アルル塩ってあるんですけど、南フランスの街なんですけど、そこも行ってないです。全部妄想で。


[江良]
でも世界のことを結構妄想癖がおありになる?

[たかはし]
かなり。行きたいけど、行った国もありますけど、全部行けてなくて、行きたい気持ちはすごい強いんですけど、なかなか全部回れなかったり、現実的に行けなかったりで、かなり妄想が広がり、人の旅の話を聞いたり、行った気で、作りました。

[江良]
物理的に移動できないから、いろんな人のお話とか、もしくは本とかいろんなものを見て、その妄想がエジプト塩みたいな感じに、行けない分、自分の料理とかで再現して、妄想をさらに成り立たせるみたいな、そんな感じなんですか。

[たかはし]
エジプト塩に関しては、姉が3ヶ月、エジプトとイスラエルとシリアとか、あの辺り旅して帰ってきたんです。25年前ぐらいに。その話がもう衝撃的で、こんなにおいのものを食べてたとか、汗のにおいがするスパイスがあるとか、ええって。全部がもう理解を超えてて。ちっちゃい時からそんなにいろんな国の料理食べたことなかったんで、 お母さんの家の料理が基本で、そんなスパイシーなものも、そこまで食べてなかったんで、大人になるまで。全部話が、もう全部刺激的で。姉のその3ヶ月行った話は結構忘れられなくて、ファラフェルってね、ひよこ豆のコロッケにクミンっていうスパイスが入ってて、そのクミンがこんなにおいがしたとか、スパイス屋さんで100グラムちょうだいって言ったら、ハァ?って、そんな少ない量、あげるわ、あげるわっ、て言ってくれた話とか、 山盛りのスパイスが売ってる、マーケットの話とか、すごく面白くて、もう行きたいってなって、お金貯めたりもしたんですけど、東京出ちゃったんで、 東京出てね一人暮らしで。結構、ほんと家賃払っていくのも大変で、旅行に、実家にいたら行けたかもしれないけど、そう、もうせめぎあってました。めっちゃ行きたいっていう気持ちと。

[江良]
ご実家は四国の方ですか?

[たかはし]
そうですね、徳島生まれ、徳島の石井町っていうところに、実家が。両家、父方も母方も石井っていうか、あの辺りで。でも私は育ったことはないんですけど。

[江良]
そうなんですか。

[たかはし]
はい、もう夏休みと冬休み、実家帰って、じいちゃんばあちゃんとか、いとこ、親戚たちと遊ぶっていう感じで。

[江良]
じゃあ市内で育ったんですか? 徳島の市内とかで育ったりとか。

[たかはし]
違うんですよ、兵庫県。

[江良]
あ、兵庫県なんですか。

[たかはし]
そう、めちゃくちゃ関西人で。

[江良]
確かに、あのね、さっきからあの、徳島ってこういう言葉だったっけなと思いながら。

[たかはし]
まあまあ関西弁ですけど、私は兵庫で育って。

[江良]
へー、それでじゃあ、さっき震災みたいな話もね、さっきはちょっとカウンターで話しましたけど。

[たかはし]
そうですね、うーん。震災とかも。経験しましたね。

[江良]
小学生ぐらいですか?

[たかはし]
いや、高1でした。

[江良]
あ、高1?

[たかはし]
はい。

[江良]
あ、そうかそうかそうか。

[たかはし]
衝撃ですね。はい。

[江良]
いつぐらいからこう、料理家としてというか、まあ料理をこう、探求し始めたというか。どういうきっかけだったんですか。

[たかはし]
うーん、ちっちゃい時、小4ぐらいに目覚めたんですけど、兄弟が多かったんで。

[江良]
えー、何人?

[たかはし]
4人ですね。

[江良]
4人、多いですね。

[たかはし]
で、結構、下の方3番目で、親に認めてもらいたかったり、褒めてもらいたいみたいな欲求で、料理して作ってあげると、めっちゃ喜んでくれるんですよ。で、褒められて。なんかそれがちょっと気持ちよくて。はじめはなんかそんなんで。親に、親を喜ばせるとか、家族を喜ばせるので作り始めたら、どんどん楽しくなって。ね、なんかデザート作ったり、晩御飯作ったり、なんかそういうのがスタートでした。でも料理家になろうって、全然一ミリも考えてなかったね。

[江良]
誰かに喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたいみたいな。

[たかはし]
ね、喜んでくれると嬉しいみたいな。

[江良]
嬉しいですよね。今日むちゃくちゃ僕たち喜んでますけど。いや、だって本当に美味しかったですよね。

[たかはし]
ありがとうございます。

[江良]
一品目の、まあね、その、丘のスープはなんかこう写真では拝見してましたけど、今日はね、あの黒豆の豆乳みたいなね、豆100%のスープと、で、えっと、まあ大根ですよね。で、僕たちはあの、洞爺湖からね、こう来て、この、3つぐらい前の収録が、佐々木ファームの佐々木麻紀さんが出るんですよ。そうなんです。だからその、ストーリーも含めて、この黒豆とこの、大根と、本当になんか、そこからやられましたけど、前菜五品もやられ、その後は、なんていうの、餅っていう、なんていうの。


[たかはし]
肉餅。

[江良]
肉餅、いや、このね、トウチと納豆とね、なんか、あと何でしょう、上にかかってる。

[たかはし]
肉髭。

[江良]
肉髭、あとね、もう、すみません、あの、音声で伝えてもあまりちょっと、皆さん申し訳ないかもしれないです。いや、本当おいしいんで。で、これ月替わりで変わっていくんですよね。

[たかはし]
そうですね。今月はたまたま台湾ですけど、来月はチーズフルコースだったり、北海道チーズ生産者いっぱいいるんで。

[江良]
それはやっぱりこう、いろんな出会いというか、まあ旅もね、出会いというか。

[たかはし]
そうですね。

[江良]
色々なものがあると思うんですけど、結構やっぱりこの近辺の方々とか、生産者さんとの出会いでこう、今月こうしてこう、とか、決めていかれるんですか。

[たかはし]
ね、なんか、こっちに来るまでって東京でね、料理してて、まあもう取り寄せて、全国からあらゆるおいしいものを取り寄せて、信頼する農家さんからだけど、やってたんだけど、やっぱり北海道に来てみて、本当にね、いっぱいこの美瑛に農家さんもいるし、美瑛近郊にもね、チーズ農家もいたり、いろんなお肉育ててる人とか、今まで、まあそんなにすぐ生産者に会えなくて、わざわざ会いに行ったりしてたけど、 こんなに身近に生産者がいて、だから、やっぱもう北海道縛りでいいかなっていうので、こっちに来てからは、あんまりこう、取り寄せしなくなったっていうか、もう北海道の、北海道の中で取り寄せはしたりはしますけど。

[江良]
でも近くに生産者さんがいるっていうのは、どういうこう、その料理を料理家としてというか、まあね、SSAWやられるにあたって、やっぱりこうね、東京ってやっぱりすごい遠いじゃないですか、そのものを作る場所と、今だから生産と消費みたいな関係性になりがちじゃないですか、でもここって多分もっとこう、生産の現場に自分たち自身も入っていけたりとか、なんかそこって結構違いを感じたりします? なんかこう、料理を作られたりとか、メニュー考えたりとかする上で。

[たかはし]
なんか私も、そもそもね、お店の名前も春夏秋冬、スプリング・サマー・オータム・ウインターで、まあ季節で取れるもので料理してるんですけど、この20年ぐらい。やっぱもう生産者と常に電話で話して、今取れてるものが何か。 で、取れてるもの、一番おいしい時に一番食べてる人が生産者で、その人からどんな風に食べておいしかったとか、これはこういう料理に合うよとか、生産者は料理人じゃないから、簡単簡単って言っても、やっぱり一番おいしい食べ方知ってたり、なんかだから生産者と電話で話したり、 生産者からこう、インスピレーションもらうことが一番多くて。で、メニュー考える時も、生産者に今あるリストもらって、ね、ああじゃあ、これおいしそうだし、今月これにしよっかなっていうのを、やっぱ一番なんか刺激もらえる相手なんで、今はね、本当に美瑛にいて、すごいリスペクトする農家さんも近くにいたり、もう皆さん農家さんに対してはリスペクトなんですけど、すごい、はい、面白いですね。

[江良]
実際に目で見れるとね、やっぱり電話ももちろん、そのコミュニケーションもいいですけど、実際見てね、野菜とかでもね、なんかこう、普段食べるとこじゃない、なんか葉っぱとか、いろいろね、なんかこう、いろいろ発見をさせられますよね。現場というかね、命が育ってくる場を見るとね、それを育てられちゃってる方をね、とね、こう触れると、なんか違う、こう、僕なんかね、ずっと東京なんです。僕東京生まれ東京育ちなんですけど、やっぱりこう、そういうところ行くと、本当全然違う世界をね、こう、開いたりしますよね。 それで、ちょっと話、もう少しこう、よしこさんの生い立ちをちょっと話していくと、兵庫で育たれて、神戸ですか?

[たかはし]
神戸じゃなくて、尼崎っていう。

[江良]
尼崎、あら、またディープな。

[たかはし]
ちょっとディープな。尼崎のちょっと山手なんですけど、武庫之荘で。

[江良]
尼崎の山手って面白いですね。

[たかはし]
ちょっといいとこなんですよね。尼崎って言うとみんなね、ちょっと悪いイメージ。確かにちょっと。はい。

[江良]
伝説、いろいろなんかね、悪い話。

[たかはし]
そうなんですよ。一応尼崎の阪急沿線なんで、まだちょっと。

[江良]
阪急はね、山手ですもんね。

[たかはし]
ちょっと山手の方で。この回は毎回、どこ出身?って言って、尼崎です。尼崎?柄悪いところってみんなのイメージで。ちょっと阪急沿線なんですって言って。このくだり大体、鉄板でやってますね。

[江良]
そこで、あの高校生ぐらいの。

[たかはし]
そうですね。で、東京に出ました。

[江良]
東京はなんで東京に出てこられたんですか?

[たかはし]
なんか、どうしようと思って。その時全然料理1ミリも。

[江良]
ご家族に喜んでもらっているっていうことがあるだけで。

[たかはし]
でも、高校の途中で親が急に転勤になって福岡の太宰府に行っちゃったんですよ。で、あなたも連れて行くって言われて、もちろん。だけど、急に高校太宰府に変わるのも嫌だし、えー、と思って。で、兄がいて、一番上の兄と暮らして、お兄ちゃんのご飯作るなら、お兄ちゃんと2人で暮らして。

[江良]
お兄ちゃんも東京に?

[たかはし]
東京じゃなくて兵庫で行って。

[江良]
あ、兵庫でね。じゃあ太宰府にお父さんお母さんが行かれて、お兄ちゃんは、

[たかはし]
弟も行って

[江良]
じゃあそこで自分が料理するみたいなことで。

[たかはし]
お兄ちゃんのご飯も作って、家事するなら置いてあげてもいいよって言って。兄ちゃんと2人暮らしてたんですよ。高校の時2年間。 毎日高校からの帰り道、スーパー寄って、晩ご飯いつも授業中考えて、主婦みたいな高校生活2年間。だからその時に結構、なんかチャチャっと作れるようにはなってて、でも料理は全く目指してなくて。その頃やりたかったのはインテリアの仕事で。インテリアの世界に憧れていて、自分でそういう空間を作りたい。海外に行って家具を買い付けて、自分の好きなインテリアの空間を作ってお店を作りたいっていうのが結構。


[江良]
素敵ですね。

[たかはし]
そうやって憧れて東京に出ました。

[江良]
東京に出られる時はどちらかというとインテリアの方とか。

[たかはし]
料理のことは何にも全く目指してない。

[江良]
どういう入り方だったんですか? なんかそういうインテリアショップで販売するとか。

[たかはし]
インテリアも色々一応調べてて、一番憧れてた方が今ランドスケープ(プロダクツ)の中原さん。

[江良]
慎一郎さん。

[たかはし]
中原さんが当時、モダンエイジギャラリーっていうお店で働いてて、そのお店が引っ越した家の裏だったんですよ。

[江良]
たまたまですか?

[たかはし]
たまたま。一応調べ上げて、中原さんのところに会いに行こうと思って。モダンエイジギャラリーとか、マイスターとか、IDEEとか、E&Yとか色々調べてたんですけど、働きたいなと思ったお店を。家の本当に一分だったんで、これは、と思って引っ越した日に行ったんですよ。もういきなり。

[江良]
いきなり。

[たかはし]
働きたいっていう話をしたら、えーってなって、いきなり。

[江良]
いきなり。

[たかはし]
でも、こういういきなりな子、結構好きだなみたいな。普通は段階あるよみたいな。

[江良]
まあ、ありますね。

[たかはし]
中原さんすごい買ってくれて。

[江良]
へー、じゃあ、来なと。

[たかはし]
いや、来なじゃなくて、中原さんのお店じゃなかったんで、モダンエイジギャラリーは。オーナーが別にいて。 中原さんがちょうどその頃、ランドスケープ立ち上げてた頃で、僕の仕事のお手伝いしてっていう感じになって。で、まず中原さんの、なんでも手伝いやさん。

[江良]
なんでも手伝いやさん。また、すごい良いところから入りましたね、東京のね。

[たかはし]
そうなんですよ。

[江良]
スタートがいきなり。スタートがびっくりする感じだね。

[たかはし]
もうそっからご縁が、もう1日目からできて。ちょっと本人も笑ってました。今日引っ越してきたの?みたいな。

[江良]
いや、そうですよね。それをまたなんかすごい持ってらっしゃいますね。

[たかはし]
いや、そうですよね。そうですよね。

[江良]
東京結構広いですからね。そうですよね。なんか自分が一番憧れてる方が。いろいろ。僕、引っ越した家の後ろでお店で働いてたって、おとぎ話系ですね。

[たかはし]
いや、そうですね。

[江良]
でもそれでインテリア、もちろんインテリアとか家具とか、そういう中原さんのいろんなお仕事をね。

[たかはし]
見させてもらって。でも実際扉を開けると、私何にもできない。インテリアの世界ってやっぱり語学力が必要だったり、海外とのやりとりが多いんで、それはマストだし、海外のメーカーとのやりとりとか、そういうのが当たり前で、自分、本当に何もできないっていう、何もできない、何もできないっていう感じで。結構。

[江良]
悩みますね、それは。

[たかはし]
はい。悩んだし、でも、とりあえず今、中原さんのところで何かできることはないかって言って、頑張って手伝わせてもらってたんですけど。

[江良]
そこらへんぐらいから料理の話が入ってくるんですか?

[たかはし]
入ってくるんですよ。ここに。

[江良]
ここに。

[たかはし]
ここに。中原さんが初めて作ったお店が広尾にあって、小さいお店でランドスケーププロダクツっていうブランドで、お店の名前ライツって言って、そこでお店だったり、いろいろ他、手伝いしてたんですけど、中原さんがちょっとお店閉めることになって、ちょっとの間バイトしててって言われて、ちょっとの間かと思って、家の近所でパーッと歩いてたらポストイットでイタリアンレストランが電話番号書いてて、バイト募集、ピッて取って、ここでいいやと思って、ちょっとの間だけだし。



[江良]
結構エンカウント率が、すごい高いですね。

[たかはし]
そのポストイットをピッて取って電話して、そこで働き始めて。

[江良]
なるほど。

[たかはし]
もう家から1分。青山だったんで、いきなり住んだ、紹介で住んだ家が。

[江良]
それもすごいですね。

[たかはし]
青山がどんな町かとかも知らずにいきなり。

[江良]
インテリア目指してるならすごいんですけど、なかなか入らないとこですよね、最初ね。

[たかはし]
でそのイタリアンのバイトが始まり、そしたらいきなりバイトが3人ぐらいとシェフが1人いたんですけど、シェフがオーナーと喧嘩していきなりいなくなっちゃうんですよ。で、もうお店閉めるかなってなって、やっと見つかったバイトなのにと思って、もう終わりって感じで、どうしよう、またバイト探さなきゃと思ったら、いきなりお前たち料理できるかって言って、オーナーが、えって、シェフが残した料理でとりあえず回してみろ、みたいな、えっ、てなって。で バイト4人、女の子3人と男の子1人で。で、私結構できるかもみたいな、いきなり手を挙げて、結構やってたみたいな、じゃあレシピあれば作れるかもって言って、トマトソース作ってみたり、簡単なのからやり始めた。めっちゃ楽しくて。半年間バイトだけで、超いい加減なイタリアンを。

[江良]
大丈夫だったんですかね。

[たかはし]
もうね もういいやっていう。だってオーナーもね、オーナーは美容器器かなんかを売ってる 結構なお金持ちな人が趣味でやってる、サイド・レストランだったんで、私たちもすごい遊ばせてもらって、ま、半年後潰れたんですけど。ちょっと遊びすぎて。

[江良]
だめだったのかもしれないですね。

[たかはし]
だめでしたね。もう自信なくて。600円とかで青山でランチ出して。ひどいバイトでした。でも本当楽しかったんですよ。その半年間ちょっと。今でもいろいろ思い出せる。

[江良]
例えば

[たかはし]
ガス爆発させ、しかけたり。もうやっぱめちゃくちゃなんで。ボーって。ガス出しっぱなしで なんか臭くない?って、チャッカマンでボーンって爆発したり。もうねアホなこといっぱい。ひどかったですね。そんな半年があって。

[江良]
でも面白かった。

[たかはし]
面白かったんですよ。初めて料理の世界。

[江良]
なんかそれは、何が、もともと誰かに、自分の近しい人に喜んでもらったり認めてもらったりする、そういうところから、多分そこって、自分でトマトソース作ったりとか、新しい工夫始めちゃったりとか、面白さの質ってちょっと小学生の時から比べるとちょっと変わったんじゃないですか?

[たかはし]
そうですね。

[江良]
いろいろやってみる、みたいな? そんな変わんないですか逆に?

[たかはし]
変わんないけど、小学校の時だったら家族だから許されるけど。

[江良]
お金いただきますからね。

[たかはし]
お金いただくし、食べる人が知らない人。お客さんだったり。だから結構緊張感はある遊びっていうか。

[江良]
遊び?でもあくまで遊びだった?

[たかはし]
そうあくまで遊びでしたね。だって本当はインテリアに戻りたいし。



[江良]
そこのバイトの期間だもんね。

[たかはし]
その間のバイトだし、でも戻ろうとしてたんで。 閉まるってなっても、じゃあ中原さんのところもそろそろ。

[江良]
そろそろ開くっていう話だしと。

[たかはし]
戻ろうと思って戻ったら、やっぱり私そんな力もないし、ちょっと勉強してこいって言われて中原さんの紹介で大手のインテリアショップ紹介されて、そこで2年間ほど修行してこいと。本当能力ないから。

[江良]
少しできるようになって帰ってこいと。

[たかはし]
帰ってこいって言われて。そこが本当に好きになれなかったんですよ。全てが、全てが、使ってるものも、中原さんのセンスが好きだったし、というので、2年間働いて。

[江良]
2年間は頑張って。

[たかはし]
デパートみたいなところで通って。もう地獄のような。もう我慢してやるっていう感じで。

[江良]
中原さんが言うから、そこはやっぱりちゃんとやらないと。

[たかはし]
やらないと。紹介だしと思って。

[江良]
気持ちで行って。

[たかはし]
ちょっと頑張ったんですけど。その時に今後自分がインテリアに戻りたいのかとか、色々すごい悩んで、思い出したのがやっぱり料理やってた半年間、めっちゃ楽しかったな。私ってやっぱり楽しくないとダメだっていうのにふって、気づいて、人生楽しくないと仕事やってる時間がほとんど、日中起きてる時間、仕事は割り切って仕事じゃなくて、楽しくないと私は無理なんだ、っていうのに気づいて、料理めっちゃ楽しかったなと思って、中原さんに話に行って、インテリアですごい頑張って、中原さんのところ戻りたいと思って頑張ったんだけど、なんか料理やりたくなっちゃったんですよね、っていう話したら、天職、出会っちゃったんだねって言われて、え?って。その時、分かんなかったんですけど、天職に出会ったってことだよって、ポロッと一言で。え?そういうことなんですか?って言って。まだピンときてなかったんですけど、頑張りなよって。好きなことね、見つかったんじゃんって。そうなのかなって言って。そっから料理の方に。

[江良]
それは何年前くらいですか?

[たかはし]
20年前ですね。24歳くらいの頃ですかね。

[江良]
素敵なエピソードですね。それで料理やろうといって、またバイトが始まるんですか?

[たかはし]
そうですね。そこからは本格的に学びたいと思って、自分が本当にできない和食とか、ちゃんともうちょっとイタリアン学びたいなとか。あとインド料理とか。なんか一個のところであんま長続きしなくて、結構自分が美味しいなって思った店とか、そういうところノックして。

[江良]
ノック得意ですからね。

[たかはし]
ノック得意なんですよ。もうどんどん。

[江良]
自分の舌で確認して。

[たかはし]
そうですね、働きたい。ノックして

[江良]
いや、なかなか素敵ですね。それもね、みんな本当見習った方がいいですよね。

[たかはし]
そうなんですかね。

[江良]
いや。なかなかノックして雇ってくださいって。

[たかはし]
まあ、ね。

[江良]
それでこういろんな和食から、インド料理のスパイスがこうなんだとか、いろいろこう見ていらっしゃるって言ったって感じなんですね。

[たかはし]
そうですね。そんな時代がありました。でもちょっと料理ってめっちゃハードじゃないですか。 朝から晩まで厨房で。

[江良]
体力がね。

[たかはし]
結構腰にきてて。ある時、埼玉の農家さんの収穫祭に行って、餅つきを10臼くらい、頑張ってみんなでついてたら、餅つきの最中にヘルニア、グキって、ヘルニアになっちゃったんですよ。でも腰、相当きてて、そしてレストランに戻れないくらい結構重症なヘルニアになって、それが人生のターニングポイントです。もうレストランとかで働けなくなって。

[江良]
動けないって。立てないから、じゃあそれでどうするんだって話になってくるんですね。
どうしたんですか。

[たかはし]
ちょうどそのヘルニアになった時に、親が転勤で東京出てきてくれてたんです。

[江良]
太宰府から。

[たかはし]
そうです、太宰府から。一緒に住もうってなってた時で。ちょうど親と暮らし始めて1ヶ月でヘルニアになって。だから親が借りてくれてた家に住めてたんで、親元でちょっとヘルニアを治す療養生活にも入りながら。ちょっとヘルニアも良くなってきた時に、どうしようと思って。やっぱり食の仕事したいけど、これからどうしようっていう時、通ってた骨董屋の荻窪のロザンっていうお店に通ってたんですけど、そこの常連で、料理研究家の女の子がいて、彼女からちょっと料理の仕事手伝ってほしいって。

[江良]
なるほど。

[たかはし]
依頼が来て。何でも手伝いたいみたいな。とにかく料理したい。けど今レストラン戻れなくて。 で、まず彼女のアシスタントから。何でもやるって言って手伝い始めたのが、そっからですねフリーになって。

[江良]
どんなお仕事が多かったんですか? なんかその、フリーの料理家さんって。ケータリングとか。

[たかはし]
初めて料理研究家っていう仕事をしてる子に会って。彼女はまずまだ私の2個上で25、6歳だったのに、1冊本がベストセラーになってたんですよ。もう何万部って売れて。



[江良]
それはすごいですね。

[たかはし]
炊飯器クッキングで。でも私より1個、2個上で。まだ若いのに本を出して。なおかつベストセラーにもなって。本当にすごい勉強家で。本当に彼女からたくさん学ばせてもらったんですけど、私はお手伝いっていう感じで、自分ができること手伝ってて、初めは。でもそのうち、彼女と私を見てるいろんな方から、ケータリングの依頼が来るようになって。2人でケータリングユニットを作って、ケータリングからスタートしたんですよね。

[江良]
でもすごい、場を元気にするようなケータリングされそうなイメージがありますね。

[たかはし]
そうですね。あと彼女に依頼があったんですけど、45rpmっていう洋服のブランドさんが、社員食堂を立ち上げて、ちょうどヨーガンレールさんとかも社員食堂をやってたりして、社員が食から元気になるっていうのが、結構いろんなブランドさん、気にかけてた頃なんで、今から20年前ぐらい前って。ちょうど料理家2人、社員食堂の立ち上げやってほしいという依頼が来て。えっ、すごい楽しそう。とにかく社員が元気になるご飯作ってほしいっていうので。そこで初めて直に農家さんから、季節の野菜を送ってもらって、季節のものを食べてもらって元気にしようというコンセプトで、料理を考えたのがまたターニングポイントですね。ただ料理をやってきたんですけど、45rpmの依頼により、生産者と直につながって、季節のもので、その時採れたもので料理するっていうのに、完全に切り替わりました、そこで。

[江良]
プロフィールの最初の言葉も、生産者と食べる人の架け橋になることをモットーにして季節を追いかけながら料理するっていうね。それはでも、実際最初に生産者さんのところ行って、話してっていうのは、ターニングポイントになって、よしこさんの気づきっていうのはどういうことだったんですか?

[たかはし]
私、しいたけ嫌いだったんですよ。ちっちゃい時食べれなくて。マジで大嫌いで。その1種類だけ、しいたけだけはもう入れないでっていうぐらい。でもある時、一緒に仕事してた料理研究家が、伊豆のしいたけ農家連れて行ってくれて、45rpmので使おうっていうので、しいたけ農家全然テンション上がってなかったですよ。嫌いだしと思って。原木しいたけ、ピッと取って。生産者がいきなりそこでスライスしてくれて、わさび醤油で、生で、えぇーって思って。大嫌いなのに。でもちょっとこの場で食べないはちょっとないよなと思って。ペロって食べたんですよ。そしたら目玉が飛び出るほどおいしくて。へぇー大嫌いだったしいたけが、こんなに採れたてっておいしいんだ。今まで自分は採れたてじゃない古いもの食べて嫌いだったけど、採れたてだったらこんなにフレッシュで、めちゃくちゃおいしいんだっていうのが、結構感動して、やっぱり何でも直がいいなと思って。そこは結構目覚めでしたね。

[江良]
直っていうのは、自分

[たかはし]
直にも生産者作り手がいて。作り手から送ってもらったら、本当に、間にスーパーが入ってたら何日か経って、結局鮮度がどんどんね、食べ物ってもう鮮度命じゃないですか。

[江良]
そうですね。

[たかはし]
だから、生産者自家でこうやってね、なんか感動的でしたね。あの瞬間は。

[江良]
そうですよね。直にこうね、やりとりとかねコミュニケーション取れることで、愛着みたいなものもね、食材に対して出てきますしね。やっぱりね、まあね普通に東京とかでね、流通がはまる、入るのは日々のことだし、しょうがないことかもしれないですけどね、でもそういう、逆にそういうこう生活をしてるからこそ、なんか直にやってみると、なんかすごいハッとさせられますよね。そうか、じゃあそこから結構こう、新しいそのコンセプトというか、軸が考え方の軸が。

[たかはし]
完全に開花した感じですね。知らなかった世界。今までレストランで料理してた時はメニューがあって、季節、まあ多少は関係するけど、一年中決まった料理をね、築地とか決まった市場から1年中パプリカが来たり、1年中ルッコラが来たり、そういう感じで1年中同じメニュー作ってたんだけど、いや、そんなのってありえないなと思って。生産者直だと、その時取れたものしかないから、じゃあその時取れたものでメニューを考えるっていう、逆。あるメニューで作るじゃなくて、ある素材で、食材で、今ある素材でメニューを考えるに、完全そこからって、それが一番理にかなってるし、自分自身もそれが性格的にも合ってるし、一番美味しいし。美味しいってことは食べる人が喜ぶ。全部がいい、これ何? これがね、食やってて一番楽しいし、楽しいだけじゃなくて、食べ手が喜んでるの。

[江良]
喜ぶしね、しかも健康とか含めてね。

[たかはし]
全部これこそ循環。自分も嬉しい。お客さんも嬉しい。生産者も嬉しい。これめっちゃ架け橋。全部なんか循環だなと思って。

[江良]
なるほど。

[たかはし]
だから45さんのその社食を立ち上げる仕事で、すごい自分自身が開花しましたね。生き方とか。

[江良]
その後は結構いろいろ、生産者さんと会っていったりとか。

[たかはし]
そうですね。もう全国取り扱いたい人に会いに行ったり。美味しかったり、感動したら、会いに行って、本当に実際見たり、全員回れてないですけど、もっと回りたいけど、そうですよね。20年前のその時の京都の山田ファームさんとか、いまだにまたつながってたり、ですね。

[江良]
そうですか。それもでも結構その、天職だよって言われてから、ユニットみたいな、ケータリングをして、その20代で、そうだよね、45さんのお仕事は、20代で。

[たかはし]
そうですね、25、6の頃から。

[江良]
そこからこう、東京でお店もやってらっしゃいますね。今でも、やってらっしゃる。エジプト塩食堂西小山やってらっしゃいますけど、そこから東京は、結局何歳ぐらいとか何年ぐらいらっしゃるんですか?

[たかはし]
今北海道に来てまる3年で 、33歳ぐらいでお店、東京でお店10年ぐらいやってましたね。SSAWで。こっちにSSAW BIEIで持ってきたので、東京お店改名して、エジプト塩食堂に3年前変えて、当時一緒に働いてた子に、料理長になってもらって。もうすごい料理上手なんで。私より料理歴、長いぐらい、レストランで、すごい経験積んでる子なんで。言えばすぐ分かるし、一緒に3年ぐらいやってたんで、彼がいるから任されるっていう感じで。

[江良]
でもやっぱりケータリングからお店になっていくのは、どういうお気持ちだったんですか?

[たかはし]
ケータリングからお店は、何にもお気持ちはなくて、お店持とうっていうのはなかったんですよ。もうケータリングが楽しすぎて、人の家に行ったり、いろんな場所で料理して楽しいから、店持たなくてもいいなと思ってたんですけど、エジプト塩が作らなきゃいけないってなって。それでお店を持ちました。

[江良]
作らなきゃいけないってどういうことなんですか?

[たかはし]
話せばすごい長いんですけど、いいですか? エジプト塩が生まれたきっかけって、一番最初はmurmur magazineっていう服部みれいさんの雑誌に2年ほど料理の連載を持たしてもらってて、創刊の頃から何号目かの時にみれいさんがよく家で撮影の時ご飯を食べるんですけど、ある時私、商品になってないエジプト塩をパラパラっとかけて、まかないで出したら、ものすごいくらいついてきて。

[江良]
服部みれいさんくらいついてくるとき、本当にくらいついてきますからね。

[たかはし]
よしこさんこれはすごいみたいな。そんなすごいかなと思って、そうですかちょっとエジプト風なんでエジプト塩って呼んでます。名前も面白いみたいな感じになって。みれいさんが次号これの特集やりたい、エジプト塩の特集みたいな特集組んでくれて、5ページくらい。申し訳ない気持ち。誰が喜ぶんだろうって。したら、編集部にお手紙が来たり、読者と近い雑誌で。

[江良]
そうですね。コミュニティですからね、読者さんも含めてね。

[たかはし]
今まで雑誌にレシピを載せても読者の声って聞こえたことないんですけど、murmur magazineの時は別だったんですよ。

[江良]
あれはちょっとすごいですよね。

[たかはし]
読者からすごい反響があって それは反響好きの私としてはもう嬉しくて。エジプト塩ってこんな、ただ作ってたブレンド塩が、こんな反応もらえるのと思って、それで終わってたら、ある時、手紙社っていうところがもみじ市って、二子玉川の河川敷でお祭りがあるから、たかはしよしこさんなんか作って持ってきてください。できれば瓶詰めとか持ち帰れるものを。普通に考えたジャムとか、ピクルスしか思い浮かばなかったんですけど、景くんが、旦那さんの景くんが、え、あの雑誌で反響あったエジプト塩を作っていけばって言われて、え、あんなの瓶詰めして誰が喜ぶの、誰が使うの?と思って。

[江良]
反響いっぱいあったじゃないですか。

[たかはし]
あったけど瓶詰めしてそんな使うかなと思って。全くイメージがわからなかった。だって商品ないからイメージがわからなくて。いやいやいや面白いよ。みんなジャムとか甘いものばっかりだから。なんか塩、塩、塩。塩系がいいよ。塩系がって言って。調味料、誰もいないよ。作って持ってきなって言われて。俺シール作ってあげるって言って。あのエジプト塩のシールが景くんがいきなり作ってくれて。えって言ってそのまま、もみじ市のために800瓶ほど張り切って作って持っていったら。1日目で半分ぐらい売れて。好調好調と。2日目大雨で中止になって。

[江良]
野外イベントの性ですね。

[たかはし]
最悪と思って。400瓶も残った。

[江良]
在庫残った。

[たかはし]
在庫とんでもない量なんですよ。400瓶って。在庫どこに置くのって感じだし。もう絶望してたらmurmur magazineさんが買い取ってくれたり。

[江良]
なるほど。

[たかはし]
知り合いの外苑前のドアネル(doinel)さんが買い取ってくれたり。いきなり知り合いの、あっ、谷尻誠さんって建築家、友達が、友達で。今夜ギャラリーロケットでイベントするらしい、そこで売らせてもらいなって言って。私関係ないのにみたいな。谷尻さんすごい人気なんで。お客さんも何百人も来てて。これいいよみたいな。1晩でもうあっという間に100個以上売れて。やったよかった。これで無くなった、在庫ゼロみたいな。でもやったこれで開放、もう二度と作らないと思ってたら、次リピーターが買いたい買いたいってなって。何それ、作んない、作んない、作んないと思って 。作りたくもない。在庫持ちたくもないってなったんだけど、景君がこんなに求められてるのに作らないとかないでしょって。

[江良]
景さんが極めて的確な、みちしるべを。

[たかはし]
そうなんですよ。私と真逆の性格。

[江良]
ミスター灯台ですね。

[たかはし]
そうですね。いやもう作るしかないでしょって言って。で製造に至って。

[江良]
製造する場所が欲しくて、ぐらいな感じがあるということですね。そもそもそっちが。

[たかはし]
そもそもそっちですね。

[江良]
なるほど。でも、単なる製造じゃなくて、でもどうせ作るなら、食べてもらおう、直接食べてもらおうみたいなことになってたんですか。

[たかはし]
そこもまた話が、そうなんですよ。通ってた西小山も、今のお店の前ってカフェカウラ(cafe cowra)ってビストロだったんですけど、今恵比寿にWinestand Waltzって、そのWaltzのオーナーがやってたお店で、昼間やってないから昼間貸してあげるって言って、昼間借りてたんですよ。ケータリングの仕込みとかで。そしたらWaltzさん奥さんが妊娠しちゃったんで、このままうちでやんないって感じで。

[江良]
なるほど。

[たかはし]
思ったよりでかいから、製造場、私半分ぐらいのイメージだったんですけど。お店もできるなってなって、お店もやっちゃおっか、みたいなすごい軽いノリでした。

[江良]
すごい本当に何かこう、全て結構出会いが、結構なんていうんですか、計算されてない。よく言えば。

[たかはし]
悪く言ってください。本当にその場の、その場人間です。

[江良]
なるほど素敵ですね。

[たかはし]
本当に子どもなんですよ。今しか生きてなくて。

[江良]
今しか生きてない。素敵な言葉ですね。

[たかはし]
いやいや、今、瞬間ですね。

[江良]
でもあれですね、旦那さんが灯台役やれるからいいんじゃないですか。

[たかはし]
そうなんですかね。

[江良]
そうなんじゃないですかね。

[たかはし]
いろいろいつも怒られてばっかりでね。本当、確かに、でも的確なことばっかり言ってくるんで。

[江良]
ちゃんと時間軸長く生きてる方からすると、瞬間、瞬間で生きてる人って、たまにこう。

[たかはし]
まあね、大人になって子どもを見てるような感じですね、なんか。そうですか。

[江良]
じゃあちょっと、なんかすごい話が盛り上がりすぎてあれなんですけど。でごめんなさいちょっと僕はその、美瑛にね、移ってくるくだりの話をちょっとぜひ聞きたかったんですけど、何年前でしたっけ?

[たかはし]
3年前です、コロナ禍に。



[江良]
で、あの、そのね、旦那さんの景さんがね、あの、写真も、まあアートグラフィックもやられてらっしゃる中で、まあこっちがご実家?

[たかはし]
じゃないんです。

[江良]
おじいさんが作られた場所なんですね、写真館なんですよね。でもなんでこう、東京で、あとね、お子さんもいらっしゃって、あとなんかインスタであの、なんかすごい素敵な保育園?幼稚園?

[たかはし]
あ、東京でね。

[江良]
東京でね、なんかそういうのもあって、みたいな中で、東京で、しかもね、エジプト塩も、なんかいろいろ反響があって、お店もあって、みたいな中で、なんでこう、この美瑛を目指されることになったんですか?

[たかはし]
結婚したのが13、14年前なんですけど、結婚した時に、この拓真館の森で結婚式をあげたんですよ。手作り結婚式で自分で料理して。まあ、そういうのもあり。その時から景さんに、いつかね、この拓真館、自分も長男だし、何とかしないと。この数十年、ちょっと元気ないから、いつかなんかよっちゃんもここでなんかやってよって、ざっくり言われてて。なんかやってよって。えぇ、でもここ広いし、拓真館も歴史ある場所だし、なんかやってよって。いや、ただそんな東京でお店やってるし、10年ぐらい、まあ、景さんも東京で忙しいし、なんかやらないとなーっていうのは、たまに会話の中で出てきたりしてたけど、本当に行くとか、本当にここに住むっていうのは、まだ自分たちもピンときてなくて、で、時間はでもどんどん経っていくし、そんな中から娘も生まれて。でもリアルに娘が生まれたらね、幼稚園入れて、じゃあ小学校どこにするの? どういう子育てしていきたいの?って考えるじゃないですか。そんな時にこの10年、洞爺湖によくお仕事で行ってたから、通うようになって。洞爺湖でラムヤートというパン屋さんと出会って、

[江良]
ラムヤートの今野さんは、この一つ前か二つ前ぐらいのインタビューで、

[たかはし]
インタビューで、彼に

[江良]
実は同じ空間に今いらっしゃるんですけど。

[たかはし]
そう、なんかラムヤート

[江良]
ラムヤートはそういう意味ではちょっとあれですね、きっかけの場所ですね。

[たかはし]
かなりきっかけです

[江良]
ちなみにどういう出会いだったんですか?

[たかはし]
一番そもそも初めは洞爺湖で結婚式をあげたい方が依頼してくれて、私を東京から呼んでくれて、料理をやってほしい。

[江良]
やってほしい。

[たかはし]
しかも洞爺湖であげたい。お客様はほとんど東京から呼ぶと。洞爺湖の空気を、本当に良さを伝えたいって言って。北海道、本当に行ったことはあったんですけど、スノボとかで。本当にちゃんと通ってみて、めちゃくちゃ北海道、いいなと思って。もう、洞爺湖、最高じゃないですか、気持ちよくて。外国? ここは何? もう 北欧? どこ? ヨーロッパ?もう 空気が全く違うし、キラキラしてて。初めて住みたいって思うぐらいいいなと思って。でも、田舎じゃないですか。でも、ラムヤートと出会ったら、そんな田舎でも、すごい楽しそうに暮らしてて、生き生きと。仲間もいっぱい集まってきてて。みんなその今野さんを、もうラムヤートの周りにいっぱい人がいて。うわーって田舎でもこんなコミュニティ作って、楽しく暮らす方法ってあるんだと思って、衝撃で。そこから毎年1週間ぐらい 自分の休暇で通うようになって。

[江良]
洞爺湖にね。

[たかはし]
はい。ラムヤートさんの屋根裏とか。もう近野家の雑魚寝で 一緒に寝させてもらって、それでまあ、北海道への、こうなんていうんだろう、北海道いい、ちょっと住みたい。ちょっと、めっちゃじゃない、まだ。ずっとまだ、東京大好きなんで、住むのはちょっと自信ないな。

[江良]
まあね。すごいやっぱり、全くちょっとね、ちょっと違うから。いざ住む、いざじゃあ子供育てるってなると、ちょっとこうね、やっぱり考えちゃいますよね。

[たかはし]
でもまあね。ほんときっかけでしたね、まあ、いいなって田舎暮らしってって思ってた矢先に景さん、きのちゃんの小学校上がるタイミングで、ちょっと美瑛、拓真館、そろそろ本当にやばいから、なんか手を加えなきゃね、結構、経営的にも。それはなんでわかったかっていうと、景さんもそれまでデザイン事務所、違うところで働いてたんですけど、父親の写真事務所に入って、いろいろ経営とかも見えるようになって、知らなかったことがいろいろ見えて、家の事情がね。ああ、このまま放ってたらまずいね。これは将来自分たちに降りかかるし、ちゃんと実際に行ってね、やらなきゃ。遠隔ではどうにもならないし、移住しようかみたいな話が出て。

[江良]
出てきて。でも、ねえ。何がこう一番こう、そう当時思い出を残すと、なんかこう不安なポイントっていくつかあったと思うんですけど、いくつもあると思うんですよ、これは本当に不安だったみたいなことってあります?

[たかはし]
隣近所誰もいない?今1キロぐらいないんですよ。「え、大丈夫?」みたいな。「怖い」とか。

[江良]
でもそれって、今移ってみて、どうですか?1キロ近辺に人住まれてないって、2年と慣れてみると、そんなに不安に思うこともなかったなのか、までも、そこまでのことでもなかったなぁなのか、未だにちょっと怖いとか、そういうことか。

[たかはし]
いや、今はいろいろ友達もできて

[江良]
1キロ圏内にはいないけども

[たかはし]
いや。1キロちょっと行けば友達がいるから。農家さんなんですけどみんな。同級生の家が1キロ先ぐらいにあったり、娘のね。 仲よくなった農家さんの家があったり、わりと町内会も出たりしてるから、地域の人ともつながったりして、そう、こう住んでると、近くの空いてた会館が、藍染の。

[江良]
ああ、なんかね、目の前。

[たかはし]
はい、そこもちょっとお店がオープンしたりして、人の出入りもあったり。最近は全く怖くなくなりました。あと、拓真館にすごい人がいらっしゃるので、お客様が。だから意外と寂しくないです。

[江良]
今日休業で残念。

[たかはし]
ねえ、今、改装中。そうですよね。ちょうど入れ替えの時期で。

[江良]
結構季節ごととかね、年々入れ替えてらっしゃる。

[たかはし]
ですね、あの去年100周年だったんですよ。前田真三さん生誕100周年で、100周年の写真展だったんですけど、今、今度入れ替えて、色をテーマにカラー。

[江良]
カラー。ちょっと写真とは思えない、実際のものとは思えないぐらいのこのね、色のなんていうか、

[たかはし]
自然物だけであの奥行き

[江良]
ああいうこうね、ちょっとあのすごい世界を切り取られているというかね、映し出されてますよね。そうですか。でもあのじゃあ実際こうこちらに住んで美瑛の方に住んで、なんだろう、東京と違うなぁとか、もしかして、東京から来てよかったなぁって、思うようなポイントと、来てやっぱりちょっと、不便、なんでもいいんですけど、不便だなぁとか、東京の方がよかったなぁってみたいなことを思うことがあるかみたいな、両方教えてもらってもいいですか?

[たかはし]
いいこと先?

[江良]
いいこと先です。

[たかはし]
単純なことが最高にいいんですよね。例えば空気。

[江良]
空気?

[たかはし]
空気。

[江良]
空気ね。

[たかはし]
はい。毎日吸っている空気。空気って全てを占めているじゃないですか。今自分がここにいる。全てが空気じゃないですか。

[江良]
そうですね。

[たかはし]
それがまずいい。美味しい。飲む水も美味しい。食べる素材も美味しい。あの光きれいとか、もう単純な。

[江良]
もうなんか、いることの。

[たかはし]
風景きれいもあるんですけど、もう光がきれいだから、全部パッて見たものすべてが、多分目の解像度も上がんのかな。こういうとこにいると。

[江良]
そうなのかもしれないですね。

[たかはし]
全部が、あの木の枝の幹の、あの曲がり具合とか、落ち葉のあの感じとか、全部が綺麗に映ってくるっていうか。ただ丘の風景じゃなくて、本当に足元も全部全部綺麗。余計なものがここないんで。人工的なものとか。だからなんか、目がおかしくなりますね。すごい解像度が上がる。

[江良]
へー、素敵ですね。

[たかはし]
なんかだから、本当に単純なものが最高。

[江良]
それでも、それ最高ですね。

[たかはし]
最高ですね。水、空気。あと静か。寝るときとか。こっち暮らし始めて、東京、2ヶ月に1回くらい行くんですけど、とにかくうるさいんで、夜寝るときにこんなに雑音がしてたのかって、ちょっとそれにびっくりするんですよね。東京行ったときは、救急車よく通るなとか、バイクの音とかトラックの音うるさいなってあったけど、まあ当たり前でね、そんなのうるさいって言ってたら暮らせないし。静かで夜めっちゃぐっすり寝れるんですよね。そういうのもいいですね。不快なことがない。

[江良]
逆になんか、東京と比べることに意味があるとは思わないですけど、何かこう、もっとこうだったらなぁとか、東京恋しくなるような時とかそういうこととかあります?

[たかはし]
東京恋しくなる。東京恋しくなる。人かな。あの、まあ、友達とか。

[江良]
東京に。



[たかはし]
20年以上住んでたんで。

[江良]
そうですね、なんか一緒のその保育園のママ友。

[たかはし]
ママ友にも会いたいし、子供たちね、仲間にも会いたいし、自分の友達にも会いたいし。でも意外と、本当にみんな来てくれるんですよ。

[江良]
ああ、ね。みんなもなんかね、こう、よしこさんにも会えるし、なんか、美瑛のね、きれいな空気も吸えるし、きれいな風景も見えるし。

[たかはし]
だから東京のとき、じゃあお茶しようって言って、数時間お茶したり、数時間ご飯食べたりする関係性が、こっちだと、もっと濃い?例えば、うちに泊まったら、もっと濃い時間一緒に話しして、だから東京行った時より、人間関係が濃くなる。会う回数は減ったけど、もっとなんか深いとこ、一緒に泊まって過ごした時間とかに深くなるから、逆になんか会いに来てくれて、ゆっくり時間を過ごして濃密になるというか、関係性が

[江良]
やっぱりその上の東京は忙しすぎるのかもしれないですね。

[たかはし]
そうだったなって。でもね、たまに行くとめっちゃ楽しいんですけど、大好き。いまだに大好きだし。なんか、それは人が多くて嫌だなとかあるけど、東京は本当に東京でね、大好きだけど、今こっちを知ってしまうと、たまに行って、会いたい人に会って、行きたいとこ行って、でも自分のホームはなんかこっちになっちゃいましたね。

[江良]
でもそうですか。いや素敵ですね。でも本当に。でもそうかもしれない。本当になんかこう地域側の方が、なんかこう人との関わりって、丁寧になったりとか、距離もあったりする分、何か本当に会いたい人じゃないとね、会いに来るとか、会う機会を作る方が面倒くさそうですしね。そういう意味で言うと、なんか気持ちを通わせやすく、ような場所なんでしょうね。多分ね、東京だと、そういう部分が隠れていっちゃうのかもしれないですよね。そうですね。
でも、そういうような、こっちの良さみたいなところが、なんかこう、ほんと今日の料理、ほんと素晴らしかった。

[たかはし]
ありがとうございます。

[江良]
なんていうの、こう、遠くまで料理食べに来て、また食べに、遠くに料理をご提供されるってことは、また来たいとか、大変な思いして東京のお店よりも来るわけだから、なんかより、こう満足感というかね、来てよかったっていうやっぱりこう、すごい満足感が、やっぱりどうしても多分必要なんだと思うけど、すごいなんか、僕たち一皿目から結構クリアされてたからね。

[たかはし]
そうですか。

[江良]
最後の皿をすごい寂しく食べたんですけど、何かやっぱり、こっち側で暮らされてることが、だいぶこう、何か料理とかにも影響を及ぼしました?最初ね、その生産者さんが近いっていうのはね、すごいでしょうけどね。

[たかはし]
かなり変わったんじゃないかな。

[江良]
東京の時の自分と今の自分って変わりました?

[たかはし]
なんか東京の時も楽しかったし、今めっちゃ楽しそうって言われるんですよ。

[江良]
東京の時、お会いしたことないからだけど、今は少なくともめちゃくちゃ楽しそう

[たかはし]
ただ東京の時はちょっと疲れてたのかな。よく、こっちで結構規則正しく寝たり。ぐっすり夜は寝れたり。今娘も小学校あるんで、朝起きて、夜も一緒にね、添い寝したら寝ちゃうし。わりと東京の時より規則正しいんで。ご飯もね、6時台には食べようとかね。東京の時はとにかく忙しくて、マジでご飯は8時半とか。もう娘途中で寝るみたいな。申し訳ない。私もお店やってたし、景さんも忙しくて、2人で本当に、このままじゃどうなっちゃうんだろうって。結構忙しくて、年に1回は体壊したりして。

[江良]
そうですか。

[たかはし]
しかもなんか咳き込む系の。忙しくてせわしないから、ごほごほ。

[江良]
東京って、咳が止まらなくなる人が、いますよね。

[たかはし]
4月1ヶ月ぐらい、本当に毎年咳き込んだりしてて、なんか調子が悪い。なんか、喘息みたいな変な症状があったんですけど全部消えましたね。こっち来て。何もしないんですけどこっち来ただけで。だから忙しなさがなくなったり。落ち着いてきましたね。

[江良]
僕も今週北海道にいるだけですけど、すこぶる体調がいいんですよね。

[たかはし]
体調がとにかくいい。もちろん仕事したら疲れるし、疲れることもあるんだけど、こっち行って、しんどいっていう日もあるけど、なんかすぐ戻るんですよね。家のあたり、ういいって、ふらふらしてるだけで、もうね、マイナスイオン飛び交ってるんで。どっか行かなくても、ここでもうリセット。

[江良]
ここでいいというか、ここがいいというかね。

[たかはし]
はい。ですね。

[江良]
素敵です。

[たかはし]
って感じになりましたね、なんか。

[江良]
でも、あれですね、ちょっとあの、この番組でちょっと恒例で、今 聞いてる人たちが、何かこう、日常の中でより豊かになるでも、なんだろう、よりこう心地よくなるでも、より健康になるでも、何でもいいんですけど、よしこさんがこれまで経験してきたことからして、なんかこう日常でちょっとこう聞いてる方々が取り入れられるようなアクションとか、何かもしあったら、それ最後にお伺いするっていうのが、恒例なんです。

[たかはし]
なんか私、食べるものを作る仕事、料理してて、料理って永久に終わらないんですよ。だって食べてなくなるから。食べてなくなるものを永久に追いかけてて。いつも思うんですけど、
みんなに朝昼晩3食って、全員に訪れるじゃないですか。

[江良]
そうですね。はい。

[たかはし]
ね。それは、必ず。

[江良]
食べないと死んじゃいますし、ね。

[たかはし]
だから、消えてなくなるものを ずっと作ってるんだけど、その3食が、ほんと毎日楽しかったら、マジでニコニコ楽しくいられるっていうか、まぁ、私はお酒も好きだし、お酒楽しんだり、ご飯楽しんだり、人と一緒にそれ楽しめるし、家族と楽しめるし、お客さんとも楽しめるし、本当に楽しいっていう瞬間が、おいしいとか楽しいとかが、食事の時間を楽しもうってなったら、ずっと訪れるんですよね。

[江良]
そうですね。

[たかはし]
だから、食の仕事は結構やめられないというか。もうどんだけ頑張って作っても一瞬で目の前から消えるけど、また楽しいことが起こる。また楽しいことが起こる。もう死ぬまでたぶん。

[江良]
楽しさの循環が。必勝パターンですね。人生をポジティブに楽しく生きていくための。

[たかはし]
ポジティブに生きようとか思ってないけど、なんかもう食を選んでる時点で、もうそういうことかなみたいな。

[江良]
少なくとも、よしこさんもね、短い時間ですけど、すごい楽しそうなんで、すごい説得力を感じました。

[たかはし]
ほんとね。

[江良]
なんか楽しく料理するコツってあります?

[たかはし]
えー、なんだろう。楽しく料理する。

[江良]
もしくは楽しく料理を食べるでもいいんだけども、なんか、いつもこう大事にしてるというか、なんかこう普段してることというか、なんかありますかね。

[たかはし]
なんか、私はなんか、これ食べたいとかっていうより、目の前にあるもので何かしようとする思考なのかな。だから。

[江良]
目の前にある食材への好奇心とか、そういうことでも、

[たかはし]
目の前にあるものを美味しく食べたいなって思うから、食材と会話じゃないけど、その子の特性をちょっと考えたり、見たりして、そしたら結構おいしくできたり。この野菜結構水いっぱいだから、生で食べようとか。結構ちょっと枯れてきてるな、炊いてあげようとか。なんか、そうやって考えていくと、料理がおいしく出来上がるから、楽しくなるし。料理ってもう全然できないってみんなによく言われるけど、なんでできんのって。ちゃんと目の前のものを見てあげるって。子育てとかもそうだと思うんですけどね。

[江良]
目の前大事ですね。

[たかはし]
大事です。洋服とか作ってても、素材を触ったり、糸を選んだり、大事じゃないですか。
素材選び。

[江良]
あんまり先を見すぎると抜けるところですよね。



[たかはし]
ねー。だからやっぱりその素材選びもすごい大事だし、その子とちゃんと会話して、見てあげて、何に向いて、何に適正かな、焼いてあげるのがいいなとか、じっくり火入れてあげようとか、なんかそういう風にやっていけばこう、絶対いい方向に、絶対おいしい料理になるし、その積み重ねっていうか。

[江良]
そうですね。その方向を見て、実際おいしかったらまたさらにね、それでまたつながってきますもんね。なかなかこう、東京だと忙しいとかね、いうことはあるかもしれないから、3食全部やれるか、やれない人も多いかもしれないけど、1日1回とかね、2回とかね、できるタイミングでも。まあ、1日1回楽しいことあればね。それでもね、全然違いますからね。楽しくね、みんなで食べる時間を作っていくっていうのは、はい、勉強に。大変勉強になります。

[たかはし]
いや、そうするとなんか人生がちょっと変わる?

[江良]
そうですね。ありがとうございます。

[たかはし]
いえいえ。

[江良]
はい、本当にね、あの、今日は素敵なお話を、本当にありがとうございました。

[たかはし]
ありがとうございます。

[江良]
本当に、もう、胃も含めて、本当に満足してます、今日。はい、本当に。それで最後に、よしこさんのこれからの中で、ぜひこのリスナーの皆さんと共有したいものをですね。で、なんか白樺祭りっていうのが6月にあるんですよね。ちょっと教えてもらってもいいですか。

[たかはし]
はい。この拓真館、おじさんが35年前に2500本白樺を植えて、今も回廊になっててすごい広いんですけど、そこでね本当に深呼吸しに来てもらいたいんで、音楽あり、あといろんな出展者あり、ほんと白樺のヴィヒタをね、うちの母と一緒に作るワークショップしたり

[江良]
ヴィヒタ?

[たかはし]
ヴィヒタってあのサウナの時に体を叩く。

[江良]
はい、てかそれですね。

[たかはし]
ね、うちにもいっぱい引っかかってるんですけど

[江良]
お店にもね、今ご自宅にお邪魔してますけど、すごいいっぱい、すごい見た目もあれですけど、香りも素敵なんですよね。

[たかはし]
だから一緒にこの拓真館の森の中で、白樺の木から取って洗って、一緒に枝を摘んで、ヴィヒタ作りしたり、あとミュージシャンは隣の遠間に住んでる、アイヌ音楽のオキさんが来てくれたり、スティールパン奏者のトンチさんとか、シンガーソングライターの児玉奈央さんとかが、東京から来てくれたり、トンチさんは宮古島から来てくれるんですけど、みなさんオキさんともコラボしたりしてるミュージシャンで

[江良]
すごいですね、多分なんかこうみんなで、

[たかはし]
みんなで合唱系なんですね。白樺が、新緑が本当にきれいな時なんで、6月10日、1日だけなんですけど。

[江良]
ぜひみなさん、機会というかね、ご都合合えば。

[たかはし]
深呼吸しに来てほしいな。

[江良]
深呼吸しに来る。ですね。

[たかはし]
すごい気持ちいい季節なので。

[江良]
ぜひウェブの方で、詳しい情報をぜひ見てください。あとあれですね、先ほどから今回もね、キーパーソンとして出てくる、旦那さんの景さんが、野菜カレンダーっていうのが作られてて、その写真の展覧会が。

[たかはし]
はい、10年目になるんですけど、毎年、私がね、料理で使ってる野菜を景さんが毎月写真撮ってくれてて、それをカレンダーで販売してて、今年が10冊目になるんで、それを記念して、吉祥寺のgallery fe’ve っていう、fe'veさんのgallery で、前田景さんの野菜。

[江良]
カレンダー展。

[たかはし]
カレンダーっていうか、野菜の、ほんとに、いつもカレンダーでしか発表してなかったんですけど、その野菜の写真展をします。もう10年撮ってるんで、100点以上。

[江良]
そうですよね。

[たかはし]
もっともっと、はい、載ってないやつもあったり、結構あるんで、その写真展があります。で、私もその時になんか野菜の瓶詰め作ったり、なんかイベントできたらいいなと。

[江良]
素敵ですね。これは11月?

[たかはし]
はい、11月23日から。

[江良]
はい。これもあの、webとかSNSで、皆さんにも知ってもらえるように、ぜひwebのほうチェックしていただきたいと思います。
はい。じゃあ本当すみません。今日はランチから始まって、

[たかはし]
はい、ありがとうございます。

[江良]
楽しい時間を、本当にありがとうございました。

[たかはし]
はい。また来てください。

[江良]
たかはしよしこさんでした。どうもありがとうございます。

[たかはし]
はーい。





白樺祭り: 2023年6月10日拓真館の森で行われた白樺祭りの様子



















前田景『野菜カレンダー』展 2023年11月23日より吉祥寺のgallery fe’ve にて開催